大阪のビジネス街「本町」に船着場 水都のにぎわい期待
新しい舟運時代の幕開け!?本町橋船着場が完成 THE PAGE大阪
大阪のビジネス街・本町かいわいを流れる東横堀川左岸で建設されていた本町橋船着場が完成し、16日に記念式典が開かれ、新しい舟運時代の幕開けを祝った。式典に続き、記念クルーズが行われ、地元住民らが地域の思い出などを語り合いながら水辺の風景を楽しんだ。
地元小学生加わり「水都のカギ」放流
船着場が設置されたのは、大阪の都心を南北に流れる東横堀川左岸の本町橋東詰。周囲には大阪商工会議所や大阪産業創造館などがあり、古くから大阪ビジネス街の中心地としてにぎわってきた。 2006年、大商が大阪市に船着場の設置を要望。以来、地元有志が連携し、大商が事務局を務める「東横堀川水辺再生協議会」が中心となり、住民主導で多彩な水辺活性化事業が展開されていた。 記念式典では佐藤茂雄大商会頭が「地域の皆さんの長年の苦労が実った。古さと新しさを融合させてにぎわいを作り出していこう」とあいさつ。柏木陸照市中央区長が「大坂が天下の台所と呼ばれて栄えた江戸時代、東横堀川は水運で国内外の港と結ばれていた。いま再び、この船着場から世界とつながりましょう」と呼びかけた。 あいさつに続き、地元小学生代表が加わり、「水都のカギ」が放流された。
もういちど、水辺ににぎわいが戻れば
式典後、ジャズボートの演奏が流れる中、船団を組んで記念クルーズ出航。地元小学生や地域住民代表らが乗り込み、水門を通過して大川へ。川崎橋手前で大阪城天守閣をながめてUターンするクルーズを楽しんだ。 生まれて初めて船に乗ったという小学3年男児は「思っていたより、船が速かった。船には船の速さがある。今度乗るときは船の中で美味しいものが食べたい」と、感想を語った。 男児の住まいは東横堀右岸に面したマンション。男児を含めると、家族5代続けてご当地で暮らしているという60代祖母は「幼いころから東横堀川を行き交う天神祭の船渡御をみながら育ちました。もういちど、水辺ににぎわいが戻るとうれしいですね」と船着場効果に期待を寄せていた。 船に揺られながら、「水路でミナミへ遊びにいける水上タクシーができれば、乗ってみたい」「船着場の周囲がもっと楽しめる空間になればいい」などというやりとりが弾んでいた。全国でも珍しい都心の船着場が、水都大阪にどんな魅力を創造するか期待される。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)