「不景気の株高が来る」とマネックス広木氏が看破するワケ
ウォール街にも響く景気後退の足音。それでも株価は上昇基調。この状況をマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストはどう分析するのか(写真:ブルームバーグ)
これまでのアメリカ株の株価推移は極めて理にかなった動きであった。 理論的には、株価は業績を金利で割り引いた値であり、今のアメリカ株は業績が伸びない(一定な)ので、金利だけで決まる。その金利が上昇の一途にあるのだから、株価はそれに反比例して下がるのが道理である。論より証拠、年初からのS&P500と長期金利のチャートを見れば、きれいな逆相関になっているのがわかるだろう。 ところが、10月に入ると、この関係が崩れた。10月のダウ平均株価は14%上昇し、1976年1月以来、46年9カ月ぶりの上昇率を記録した。この間、長期金利は上昇を続けた。 10月下旬には2007年11月以来、15年ぶりの高水準となる4.33%をつけた。その直後に一部報道でFRB(連邦準備制度理事会)の利上げペース減速の思惑が高まり、長期金利は一時低下したものの、それでも11月上旬の時点でまだ4%を超える水準にある。
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広木 隆