大雨被害から4ヶ月 浸水被害の戸沢村蔵岡地区続く避難生活 集団移転巡り心境に変化も
山形放送
ことし7月の記録的大雨で、戸沢村蔵岡地区は甚大な浸水被害に見舞われ、60人近くが仮設住宅で避難生活を送っています。発生から4か月が経過し、住民たちは心の平穏を取り戻しつつある中、集団移転の方法などを巡り心境の変化も見え始めています。 戸沢村の高台に設置された、県の応急仮設住宅です。蔵岡地区の地区会長・山崎昇さん。雪が多いこの地域では、冬への備えが欠かせません。 県に届け出をして、冷たい風が入り込まないよう玄関を囲む風除室を設けました。 蔵岡地区会山崎昇会長「冬に備えての対応。皆さん工面している。風とか雪が直接入ってこないように」 7月の記録的な大雨で甚大な浸水被害が発生した戸沢村蔵岡地区。避難住民の仮設住宅への入居は10月9日から始まり、およそ1か月半が経過しました。災害への不安が薄れ、仮設住宅でのコミュニティが形成されつつある中、集団移転の方法などを巡り住民の考え方に変化が出始めています。 蔵岡地区会山崎昇会長「不平不満はないです。集団移転があったにしてもここの仮設住宅でいいよねという人もずいぶんいます」 そして、住民が要望していた「談話室」が完成し25日、県を通じて村に引き渡されました。住民同士の交流がさらに深まることが期待されています。 蔵岡地区会山崎昇会長「いいなあ きれいだし」「ここでいろんな今後のことをみんなでゆっくり語り合えるそういう場所 申し分ないね」 蔵岡地区で40年以上暮らしてきた芦原美智子さん(72)。7月の豪雨で自宅が被害に遭い、防災ヘリで救助されました。自宅には水が流れ込み、今後、解体することにしています。集団移転には賛成の考えです。 芦原美智子さん「大雨が降るたびに恐怖心今でも夢のなかでぱっと起きる時がある。これから先のことを考えるとまた同じことを繰り返すならもう移転したほうがいい」 芦原さんは、新しくできた「談話室」で、蔵岡地区の住民同士、お茶を飲むなどして交流を深めるイベントを開きたいと考えています。 芦原美智子さん「交流会 楽しみだよねみんな楽しみにしてるね何人かは新庄や山形に移ったバラバラになったなと思ってやっぱり寂しいね」 戸沢村はいま、補助金の交付などが見込める治水対策プロジェクトに集団移転事業を追加するよう国に求めていています。国の返答を踏まえ、村は12月の村議会で、集団移転に向けた今後のスケジュールを話し合う方針です。