平安時代から続く“渡し船”、大雨被害から約9ヶ月ぶりに運航再開 愛知・豊橋市
100人以上の市民が祝福!渡し船が運航再開
2024年3月3日、ついに“牛川の渡し”は運航を再開。新しい船の名前は、以前と同じ「ちぎり丸」。手すりやイスの土台などは、廃船になった船のものを再利用している。また渡船場では、再び船が流されることがないよう、船を係留する柱を長くするなど対策が施されていた。
約9か月ぶりの運航のはじまりを見届けるべく、船渡場には豊橋市民100人以上が集合。そのなかには、豪雨で船が流されてしまった日、遠足で“渡し船”を体験するはずだった豊橋市内のこども園に通う園児たちの姿も。園児たちの手には、楽しそうに船に乗る様子が描かれた絵。運休の間、園児たちは渡し船について調べるなど、再開を待ち望んでいたのだ。
渡船場は夕方まで再開を祝う人々で溢れていた。こども園の子供たちは「初めて乗ったら気持ちよかった」、「楽しかった」など初めての渡し船を満喫。また、以前船を通勤に利用していた女性は、「まるで昨日のことのように、あのブランク(運休)を感じさせない。もう荒津さんには話しましたけど、明日からまた(通勤に)利用します」と笑顔をみせた。
荒津さんの首元には、渡船場に訪れた人々からプレゼントされた花輪がかけられていた。街の人々の温かい言葉の数々に荒津さんは、「ありがたいよね。船乗ってくれる人は、本当にいい人ばっかりなんで。この先“牛川の渡し”、まだ先が長いぞという実感がしました」と嬉しさを滲ませた。 1000年以上市民に愛されてきた「牛川の渡し」。新しい船と共に、新たな歴史を刻んでいく。