Beyond GDP NPOが創造する新しい経済社会
NPOが躍動する/せざるをえない環境へと変化
9月に開催された「国連未来サミット」で国連事務局は、30年が目標期限であるSDGsに続く「ポストSDGs」として、「Beyond(ビヨンド)GDP」という概念を示している。経済成長で捉えきれない評価基準でGDPを補完し、ウェルビーイング、生命と地球の尊重、格差縮小と連帯の強化を大きな目標とする考えだ。未来の新しい経済社会への移行期でもある今、NPOが躍動する/せざるをえない環境へと変化していく。 経営学の巨匠、ヘンリー・ミンツバーグは10年代前半、著書『リバランシング・ソサエティ』の中で、こうした新しい経済社会への道筋としてひとつの方法を提言している。それは社会にとって重要な1. 政府セクター、2. 民間セクター、そして3. 多元セクターの3つのバランスを取り戻すことだという。そして今、バランスを取り戻すためには、多元セクターが鍵を握るという。「今求められているのは、もっと多くの社会運動と社会事業をおこない、既存の破滅的なやり方にノーを突きつけ、建設的なやり方に転換していくことだ」と記している。 世界や社会課題はより深刻化している。だからこそ、次の経済社会は、現在の延長線上にはないことは明らかだ。未来に必要な「包摂的なイノベーション」を、社会に、そしてそれぞれの社会問題に対して起こすためにも、NPOが今以上に輝く「NPO新時代」の到来が求められる。
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