流行語大賞【トップ10一覧】 震災から始まった24年、政治ニュースにうんざりも…希望見えた選出
今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の発表・表彰式が2日、都内で行われ、年間大賞に阿部サダヲ(54)主演で今年1月期に旋風を巻き起こしたTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜後10・00)の略称「ふてほど」が選ばれたほか、ノミネート30語の中からトップ10が発表された。 【写真あり】「令和の百恵ちゃん」と話題!純子役・河合優実の昭和ヤンキー姿 「新語・流行語大賞」は84年にスタート。ユーキャンとの提携で04年から現在の名称に改称された。選考は「現代用語の基礎知識」編集部の調査による30のノミネートから、選考委員会が10語を選んだ。 選考委員は、金田一秀穂氏(杏林大学教授)、辛酸なめ子氏(漫画家・コラムリスト)、パトリック・ハーラン(お笑い芸人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる氏(漫画家)、大塚陽子氏(「現代用語の基礎知識」編集長)。 金田一氏は「毎日のニュースを聞いていて、うんざりさせられる日々だった」といい「そのつまらなさを埋めたのは何よりも大谷選手の活躍だけだった。日本にいながらニュースで知らされる大谷選手と、同時代で過ごせたことの幸運を味わうことができた」と総評。 辛酸なめ子氏は「このところの円安で、日本全体が貧乏になったような空気が漂っています」としてお金関連ワードの選出に言及した上で「ポジティブなお金の話題といえば『新紙幣』です。たくさん寄付をして金運や名誉に恵まれた渋沢栄一の生き方が、これからを生き抜くヒントになっているのかもしれません」と前向きに語った。 パトリック・ハーランは「震災で始まった2024年、災いだらけの一年になるかと心配していた」というが、「しかし、流行語を見ると、スポーツ、エンターテインメント、音楽、食など、我々の人生をさらに楽しくて豊かにするものもとても多かった」としみじみ。 室井氏は「熱いばかりの一年で頭がポーッとなっていたせいか、世間を賑わす新語・流行語が何だか地味に感じられた。大谷選手の50-50やオリンピック関連用連用語がなかったら少々淋しかったに違いない」とコメント。「世相を反映する新語が裏金問題やホワイト案件というのも悲しい」と吐露した。 やくみつる氏は「ふてほど」の大賞受賞を「まことにアイロニカルであった」と分析。過去の流行語「カープ女子」「オバタリアン」などのジェンダーバイアスのかかった選出を振り返り「選んだ側の自戒の念も含むものとご理解願います」と呼びかけた。 大塚氏は「ますます細分化された世相があらわれた1年。世代間の違いというよりも、個人や仲間うち『界限』での流行にあふれて、大衆という意味合いを考える必要がありそうです」と指摘。「キャッシュレス時代の『新紙幣』誕生と解明されない『裏金問題』など世の中では『不適切』な事例が多すぎますが、『もうええでしょう』とは言っていられません。新語・流行語大賞とはなりませんでしたが、『はて?』と立ち止まり、いちいち疑問をつぶしていきたいです」とまとめた。 トップ10は以下の通り(順位なし、並びは五十音順) ◆裏金問題 ◆界隈 ◆初老ジャパン ◆新紙幣 ◆50-50 ◆ふてほど【年間大賞】 ◆Bling-Bang-Bang-Born ◆ホワイト案件 ◆名言が残せなかった ◆もうええでしょう