ブリンケン米長官「ウクライナは18歳から軍動員を」 動員可能年齢の引き下げを要請
ブリンケン米国務長官は4日、ロシアの侵略を受けるウクライナについて「より若い人々を戦闘に投入することが不可欠だ。現在、18~25歳の人々は戦闘に参加していない」と述べ、軍への動員年齢を引き下げて兵力を増強すべきだとの考えを示した。北大西洋条約機構(NATO)外相会合出席のため訪問していたベルギー・ブリュッセルでのインタビューでの発言としてロイター通信が伝えた。 ブリンケン氏は同日、ブリュッセルのNATO本部で行った記者会見でも、ウクライナに財政・経済支援や軍事支援を続ける方針を示した上で「動員は極めて重要だ。ロシアの侵略に対処するためには、資金や武器だけでなく前線に人材が必要だからだ」と指摘。「ウクライナは動員に関し、困難だが必要な決断をしなければならない」と述べた。 ウクライナは今年、動員可能年齢を従来の27歳から25歳に引き下げた。ただ、それでも露軍の前進を阻止するだけの兵力は確保できていないとされる。 一方、ウクライナのリトビン大統領広報顧問は11月28日、「欧米諸国が供与を約束した武器の到着が遅れている中で動員年齢を引き下げても無意味だ。彼らに装備させる武器がない」とSNSに投稿し、動員年齢引き下げに否定的な考えを示した。 ウクライナは、動員年齢のさらなる引き下げによる若者の戦死者の増加や、国民の反発を招く事態を警戒しているとの観測も出ている。(小野田雄一)