保健所の整備場所が決定 閉校した小学校校庭に 埼玉・所沢市 「保健所発祥の地」なのに統合で廃止されていた 2028年から建設工事開始を予定 新型コロナ流行時には各地の保健所逼迫
埼玉県所沢市は28日、2030年の中核市移行に向け、保健所を生涯学習推進センター(同市並木)のグラウンドに整備する方針を発表した。 2030年4月に中核市移行を目指している所沢市【写真1枚】
生涯学習推進センターは所沢市役所から北東約1キロに位置し、2006年度に閉校した並木東小学校を活用。グラウンドの敷地面積は約8千平方メートルで、建物と駐車場を整備する予定。今後は土地の調査や基本計画の策定などを行い、28年度から建設工事を始める見通し。 同市は今年6月に30年4月の中核市移行を目指す調査報告書を公表。保健所を新設した他市の事例から、整備には25億円以上の費用がかかる見通しを示している。 1937年、所沢市に全国の保健所の先駆けとなる「農村保健館」が設置されたことから、同市は「保健所発祥の地」といわれる。農村保健館は41年に所沢保健所に改称し、2010年に狭山保健所との統合に伴い廃止された。新型コロナウイルスの流行時には各地の保健所業務が逼迫(ひっぱく)し、県議会や市議会で所沢市の保健所設置について議論されていた。