「生きた証を残したい」難病の28歳漫画家の作品が舞台化 痛みで15分以上座れず…立ったまま描く 静岡
劇団たんぽぽ・久野由美 事務局長: 厳しい声を受けることも覚悟だった。「作品を作りたければ自分たちで作ればいい」「作れないのであれば作らなければいい」という声があってもおかしくないと思っていたが「頑張って」という声もたくさんもらったので、やって良かった。すごくうれしかった
出演者も決まり、この日は東京から照明や美術のスタッフを招いての初顔合わせ。劇団や原作者から作品への熱い思いが語られた。
劇団たんぽぽ・久野由美 事務局長: 出版社からの持ち込みは本当に稀でみんな驚いた。内容が衝撃的で、これを私たちは舞台化できるのかずっと劇団で話し合いを続けた。劇団のみんなが「これをやりたい」という思いが強くなったので、みんなでこれを作ろうということになった 漫画家・寺田浩晃さん: 他人から見たらゴミだろうが無価値だろうが「これが大切なんだ」と自分に言えるものを持つことはすごく大切なこと。そういう生き方があることを、いまの子供たちに伝えられたら 初めての読み合わせも行われ、いよいよ作品の新たな船出となった。
意見を出し合いより良い舞台に
それから約5カ月後、本番に向け稽古も最終調整が進められていた。
劇団たんぽぽ・村岡由美子 代表: 昇華しているものが衝動で表れてきて出てくるものだったら演出家は受け止めてくれる。そこまで行けるかどうかわからないけど目指したい
この日は気になるシーンの動きやタイミング、表情などを繰り返し確認する。意見を出し合い、より良い舞台を作りあげようと模索する姿があった。 主人公(小山田笑正)役・金原綾香さん: いじめられていないけど孤立しているのがすごく難しくて、悩みながらやっている。本番の芝居が正解ということはない。感じた人が思ったことが正解だと思うので、自分なりの正解を見つけていきたい 主人公が触れ合う三船役・村瀬諒さん: 原作を意識しつつも、とらわれ過ぎないように意識してやっている。作者が伝えたいメッセージを取りこぼさないようにしていければ