3月14日開業・北陸新幹線で初の試乗会 ── 金沢~長野間のW7系試乗ルポ(鉄道ライター・伊原薫)
金沢駅に入線するW7系車両 5日午前8時ごろ THE PAGE大阪
いよいよ延伸開業を来月に控えた北陸新幹線。今週末に行われる一般公募の試乗会に先立ち、報道関係者向けの試乗会が5日、金沢駅~長野駅間で行われました。北陸を駆け抜ける新幹線の様子を、いち早くレポートいたします。 【動画】北陸新幹線(長野~金沢間)の旅 車窓から眺める雄大な立山連峰から日本海まで
「和」の雰囲気たっぷりの金沢駅
午前8時過ぎ、金沢駅へ。在来線改札口の東側、まだピカピカの新幹線改札口には沢山の報道陣が詰めかけていました。受け付けを済ませ、カバーがかかっている自動改札を抜けてコンコースへ。中2階のトイレ入り口には、金沢の伝統工芸である二俣和紙と加賀友禅でできた装飾が施されています。 他にも待合室内には30品目・236点の伝統的工芸品が飾られるなど、駅構内だけでも北陸の「和」が散りばめられています。これはE7系・W7系の開発コンセプトにも表れていて、グランクラスのエントランスやシート・床敷物など、随所に「和」を感じられるようになっています。 ホームで待つことしばし。9時25分に西側から列車がゆっくりと入線してきました。本日乗車するのは、JR西日本所属のW7系W2編成。既に長野新幹線「あさま」で活躍するJR東日本のE7系と同一車両ですが、JR西日本の車両はまだ運用を開始していないため、ちょっと得した気分。早速車内へ乗り込むと、新車の香りが漂っています。 9時56分、定刻に列車は発車。発車後すぐ、左側に金沢車両センターが見えます。構内には、新潟を結ぶ特急「北越」の485系電車の姿も。彼らの活躍が見られるのもあと1ヶ月です。 列車はぐんぐんとスピードを上げていきます。明神トンネルを抜けたところで、運転士から時速260キロに達したとのアナウンスが流れました。防音壁の切れ間から見える景色が、これまでにないスピードで後ろへ去っていきます。ここ数日の暖かさで雪は見られませんが、本来ならこの辺は豪雪地帯。線路脇には消雪パイプが敷かれているのが見えます。 金沢から15分弱で新高岡駅に到着。2面2線のシンプルな構造です。北陸新幹線では、金沢・富山・上越妙高の3駅が追い抜きのできる2面4線、その他の駅は2面2線となっています。全駅にホームドアが取り付けられているので、通過列車が来ても安全です。ちなみにこのホームドア、先ほどの金沢駅では番線によって色が違うのも要チェック。 そうこうしているうちに、早くも列車は富山に到着です。金沢からわずか25分ほどで、両都市間の行き来も「ちょっとそこまで」という感覚に変化しそうです。また、富山は全国で初めて路面電車が直接乗り入れる新幹線駅。3月14日の開業と同時に、富山地方鉄道の路面電車が新幹線駅の真下まで延伸され、直接乗換ができるようになります。