「柿鰤(かきぶり)」 柿の皮で養殖した鮮度長持ちブリが25日デビュー!
柿の生産量日本一の和歌山県で、柿の皮を与えて育てた養殖ブリがデビューする。ブランド名は「柿鰤(かきぶり)」。あんぽ柿を作る際に出る皮を有効利用する取り組みで、ブリの鮮度を長続きさせる効果が期待されるという。25日、同県を拠点に展開する食品スーパー「オークワ」で販売が始まる。 柿鰤は、魚の養殖業を営む東海シープロ(福岡市)の子会社が養殖する。柿の皮を乾燥させ粉末状にして、餌に混ぜて与える。混合割合は企業秘密という。皮にはビタミンやタンニンが豊富に含まれており、養殖時にブリの健康を保ったり、販売時に身の色が変わりにくくなったりする効果が期待されている。 皮は、かつらぎ町あんぽ柿加工組合が供給する。同組合は、和歌山県で柿の生産量が最大の同町で、JA紀北かわかみから仕入れて、年330万玉のあんぽ柿を生産している。 製造過程で皮やへたなどの廃棄物が年160トン発生するが、これまで有効な使い道がなかった。魚のブランド化を模索していたオークワと東海シープロが同組合に声をかけた。 柿鰤は25、26日の2日間、オークワの全店舗で販売。その後も基幹店舗で取り扱う。同組合の亀井寿一執行役員は「柿鰤が軌道に乗れば、特産の柿を皮まで有効利用できる」と期待を込める。
日本農業新聞