異例の「ラブストーリー大河」 主人公2人が「光る君へ」最終回と話題のシーン振り返る
NHK大河ドラマ「光る君へ」の最終回パブリックビューイング(PV)とトークショーが15日、びわ湖大津プリンスホテル(大津市)で開催され、まひろ(紫式部)役を演じた吉高由里子さんと、藤原道長役の柄本佑(たすく)さんの主人公2人が登場した。2人は最終回の「渾身(こんしん)のシーン」の撮影エピソードを披露し、異例の「ラブストーリー大河」でもひときわ話題となった石山寺でのシーンを振り返った。 【写真】吉高由里子、物書き役は「もうやめてくれえ」 ■28倍の参加申し込み PVとトークショーは、大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会とNHK大津放送局が主催。約950人の観客は約28倍の申し込みから抽選で選ばれたという。最終回を堪能した観客の前に、主人公の2人が登場すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。 最終回は、黒木華さんが演じる道長の妻、源倫子(ともこ)がまひろを呼び、「私が気づいていないとでも思っていた?」と、道長との恋愛関係を問いただし、ついにまひろが秘密を打ち明けるシーンから始まった。 吉高さんは「(まひろの)顔、凍り付いていたでしょう」と観客に語りかけ、「台本には、セリフの言い出しのところに、(脚本家の)大石静さんのメッセージで『言ってしまえの気持ちで』と書かれていました」と舞台裏を明かした。 「うぅ~いやあ!の気持ち」で意を決するまひろを演じたと天真爛漫(てんしんらんまん)に話した吉高さん。「『私が知らないとでも思ったの?』って、いつか誰かに言いた~い」とちゃめっ気たっぷりに叫び、会場をわかせた。 最終回のクライマックスは、死期を悟り弱りきった道長のもとにまひろが通い、悲しみをこらえながら鼓舞するように物語をきかせる場面。吉高さんにとっては「自分の中のものをかき集めて演じた。大事にしすぎたくらいのシーン」だったという。ただ、撮影日は風邪気味だったためか、「(涙ではなく)鼻水の方がでちゃって。はなをかんでもう1回やったら、また出てきて。それで、渾身の3回目」と、撮り直しのエピソードも披露した。 病に侵され、げっそりした道長を演じるため、減量して撮影に臨んだという柄本さんは「もう権力者ということではなく、本当にシンプルな愛情の形にそぎ落とされていくような不思議な感覚だった」と感慨もひとしおの様子だった。