横須賀の護衛艦「いずも」に正体不明のドローンが接近…!自衛隊がそんな事態を防げない「驚きの理由」
安価な割に戦果は抜群。ウクライナ戦争でドローンの有用性が証明されたため、各国はドローンの開発と対ドローン戦略の構築に心血を注いでいる。翻って日本の空は、悲しくなるほどに脆弱なのだ。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす
衝撃の「丸裸」動画
「平和と安定を維持するため、同盟国との協力を強化することが課題だ!」 ゴールデンウィークにハワイに渡り、アメリカのオースティン国防長官、オーストラリアのマールズ国防大臣、フィリピンのテオドロ国防大臣と会談した木原稔防衛大臣は、日々脅威を増す中国に4カ国で対抗するため、高らかにこう宣言した。今後、日米豪でF‒35ステルス戦闘機による共同訓練や、防空ミサイルの発射訓練を行うなど、同盟国とともに対中国を意識した国防力の強化を進めていく予定だ。 しかし、日本周辺の防衛力だけを高めればいい時代ではない。「ニッポンの空が危ない」―いま、国防関係者からこんな声が次々と上がっているのだ。 今年3月下旬、中国のSNS上に、ある「問題動画」が投稿された。海上自衛隊横須賀基地に停泊する護衛艦「いずも」の上空をドローンがゆっくりと飛行し、甲板の様子や艦の細部を撮影した動画だ。投稿には中国語で「ドローンから自衛隊の空母へ」という説明文が添えられている。 「いずも」は海上自衛隊最大の護衛艦。F-35B戦闘機が離着陸できるように改修が始まっており、'27年には「空母化」する計画が進められている。中国はこの計画に「東シナ海の緊張を高めることになる」と猛反発しているが、そんななかで起こったのがこの「いずも挑発動画騒動」だ。
中国から日本への侵入ドローン
〈これが中国によって撮影された映像なら、いずもが丸裸にされたも同然〉〈そもそも、こんなに簡単にドローンの侵入を許していいのか〉 動画が公開されるや否や、ネット上ではこんな懸念が飛び交った。防衛省は当初「動画の真偽を確認中」として、動画が偽物である可能性もにおわせていたが、5月8日、「動画を分析した結果、本物である可能性が高い」との見解が報じられた。軍事事情に詳しいジャーナリストの山田敏弘氏は「極めて大きな問題だ」と指摘する。 「防衛省は、誰がどのような方法で撮影したかを引き続き調査するようですが、周りにはドローンなどを察知する監視装置があったにもかかわらず、それらが全く機能しなかったということです。 また、私がこれまで現役の自衛官に取材をするなかでも『基地の上空や周辺を正体不明のドローンが飛来していた』という証言をいくつも聞きました。今回の動画の撮影意図はまだ不明ですが、この撮影主に限らず、同様の偵察動画が頻繁に撮影されていることも念頭に置くべきです」 実は、防衛関連施設に限らず、中国から日本へのドローンの「侵入事例」は急増している。特に尖閣諸島など沖縄周辺での飛行がよく報告されているが、今年3月26日には、日本海の上空で中国軍の偵察型無人機の飛行が初めて確認された。