『室井慎次』“眉間のシワ”ビジュアル誕生秘話 宣P語る
そこで宣伝プロデューサーの江上氏がデザイナーと相談していく中で、室井のトレードマークであるオールバックと眉間のシワをフィーチャーするのはどうか、という案が浮かび上がった。前作の映画『踊る FINAL』から12年という歳月を経て、当然ながら室井も年齢を重ね、白髪もうっすらと混じり始めている。彼自身、警察を辞め、故郷・秋田県で養子を引き取り、彼らとともにのどかな生活を送っているといった変化もあった。そんな男の時間の流れを雄弁に表すのは、まさに室井の“眉間のシワ”であろうということで、思い切って“眉間のシワ”をどアップで見せるビジュアル案を思いつく。なおかつ、地面からニョキニョキ、と室井が浮かび上がるようなこのビジュアルはどことなくユーモラスでもあり、まさにポップで楽しい、という宣伝プランにも合致する。亀山プロデューサーからも「おもしろい」と賛同を得て、このビジュアルでいくことになった。
だが顔の一部だけしか見せない、という遊び心あふれるデザインを俳優サイドがすんなりと許可を出すものだろうか。そこで柳葉の事務所に実際に企画を提案したところ「皆さんが真剣に考えていただいたものですから、お任せします」という返答が。すんなりとオッケーを出したというのも、やはり柳葉サイドの『踊る』シリーズへの全幅の信頼感、というものもあったからだろう。
そうした流れで決まった“眉間のシワ”のポスタービジュアルだが、それをチラシサイズにすると、ちょうど顔の部分が等身大サイズとなっている。室井と秋田で一緒に暮らす少年、森貴仁を演じた齋藤潤もX上で「映画『室井慎次』宣伝チームの皆様よりチラシを使用した正しい写真撮影の仕方を教えていただきました」というコメントとともに、おでこのあたりにチラシをかざして、室井慎次になりきった姿を投稿していたが、「これは本来ポスターとして考えましたから、チラシサイズにしたらたまたまサイズがピッタリだったということ。本当は狙い通りですと言いたいところなのですが、これはたまたまです(笑)」(江上プロデューサー)