ビットコイン、7%下落して4万ドル付近──下落は長引かないとの見方も

ビットコイン（BTC）は過去約24時間で、レバレッジポジションが大規模に清算される中でほぼ4カ月ぶりの大きさの日次ドローダウンに見舞われ、トレーダーらはビットコインが時折急激な強気相場の調整を行っていることを思い出した。

フラッシュクラッシュで急落

ビットコインは10日に起きた数分間の「フラッシュクラッシュ」で約4万3800ドル（約635万1000円、1ドル円145円換算）から4万500ドル近くまで急落した。その後すぐに4万2400ドルまで回復したが、アメリカ時間11日午後の時間帯に再び下落し始め、上昇トレンドに乗って1週間前にブレイクした水準である4万200ドルまで下落した。 過去24時間では依然として7％近くの下落となっているものの、本稿執筆時点ではビットコインは4万1000ドルを超えるまで反発。しかし、8月17日にビットコインが2万5000ドルを下回って以来最悪の日次ドローダウンとなる見通しだ。 イーサリアム（ETH）も同期間に7％以上下落し、2200ドル（約31万9000円、1ドル145円換算）を下回った。 ほかの暗号資産のほとんども大幅な下落に見舞われ、エックス・アール・ピー（XRP）、ドージコイン（DOGE）、チェーンリンク（LINK）、カルダノ（ADA）は11日に8％から12％の下落が発生した。 一部のアルトコインはトレンドに逆行し、アバランチ（AVAX）、インジェクティブ（INJ）、オプティミズム（OP）は上昇した。 暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index（CMI）も7％以上下落し、深刻な全面下落が浮き彫りになった。

今後は上昇するとの見方

急激なドローダウンはこれまでのビットコイン強気サイクルでも発生していたが、10月1日以来ビットコインがほぼ休むことなく2万7000ドルから4万5000ドル近くまで上昇したため、ここ数週間はほとんど見られなかった。 ビットコイン専門の市場アナリストであるウィル・クレメンテ（Will Clemene）氏は、今回の調整は驚くべきことではなく、いつかは起きるはずのものだったと指摘。こうした反落は、より持続可能な値動きに向けて過剰なレバレッジを解消するために必要だと説明した。 クレメンテ氏は、「ビットコインは2カ月間で反落もなくほぼ2倍になったばかりで、調整はそれほど驚くべきことではない」とし、「調整により『弱いハンド』とレバレッジが払拭され、最終的により高いレベルに移動するためのより強力な基盤が可能になる」と述べた。 コイングラス（CoinGlass）のデータによると、今回の下落によってロングを中心に暗号資産デリバティブ市場のレバレッジ取引ポジションが5億2000万ドル以上清算された。これは1日当たりの清算額としては少なくとも過去3カ月で最大となった。 LMAX Groupの市場ストラテジスト、ジョエル・クルーガー（Joel Kruger）氏は、トレーダーがマージンコールに直面する中、レバレッジをかけたロングポジションの連鎖的な清算が今回の下落を激化させたと説明した。さらに、米ドル高が暗号資産市場の弱さに拍車をかけた可能性がある。 クルーガー氏は、今回の反落により暗号資産市場は買われ過ぎの水準から下落しており、市場は高値更新に向けて上昇し続ける可能性があると指摘。「ビットコインとイーサリアムの下落はかなり早く解消されると予想しており、安値の切り上げと年初来高値に向けた強気の継続を支持している」とし、「年末に向けた暗号資産の見通しは引き続き明るい」と述べた。  ｜翻訳・編集：林理南｜画像：CoinDesk｜原文：Bitcoin Dips 7% to Near $40K; Pullback Will Be Short-Lived, Say Experts