インドネシア ~ 農村の風景 マラリア撲滅に向けて 1- 高橋邦典
しばらく前になるが、マラリア・ノー・モア(Malaria No More)というNGOの仕事で、初めてインドネシアの農村部を訪れる機会があった。その名の通り、マラリアの撲滅に向けて国際的に活動を行う組織だが、彼らは近い将来インドネシアでの支援を検討しており、その予備調査が目的だった。 知っての通り、マラリアは蚊を媒体とする感染症で、高熱を伴い、適切な治療を施さなければ死に至ることも珍しくない怖い病気だ。日本ではほぼ見られなくなったが、現在も世界100か国以上で流行し、年間60万人以上もの死者を出しているといわれる。 インドネシアにおいては、ジャカルタやスラバヤなどの都市部ではあまり感染のリスクはないが、田舎部ではまだマラリアは蔓延し、患者が絶えることがない。現場での蚊の生態調査や、コミュニティーとの話し合いを通して、これからの支援のあり方を決めていくことになる。 (2014年10月撮影)