よみがえる名作オペラ「吉四六昇天」大分市で12月8日上演 全編通しての公演は県内97年以来「真面目にひょうきんに演じる」
第26回大分県民芸術文化祭のフィナーレを彩るオペラ「吉四六昇天」が、12月8日午後2時から大分市高砂町のいいちこグランシアタで開かれる。県民に親しまれている民話「吉四六話」を基に、1973年に県民オペラ協会によって誕生。東京や大阪をはじめ、中国でも上演され、「地方オペラの草分け」と称賛された大分を代表する名作がよみがえる。 ハイライト公演はあったが、全編通して上演されるのは県内では97年以来という。主催は大分市で活動するおおいたオペラカンパニー。演出を務める同カンパニーの野村高子は「現在は県内にも吉四六さんを知らない人がいる。そんな今だからこそ見てもらいたい」と話す。 「天のぼり」「馬のふん」をはじめ、さまざまなとんち話を巧みに組み合わせた8景。大分の方言や民謡がちりばめられた物語で、幅広い世代が笑うことのできる作品となっている。出演者の配置などにアレンジを加え、よりダイナミックに感じることができる舞台になっているという。 県出身の声楽家や俳優ら約90人が出演。吉四六役は大分二期会、東京二期会所属の秋吉一央。初演で大分市出身のバリトン歌手、故立川清登が演じた役だ。「自分ができる精いっぱいの演技をしたいです。真面目に、ひょうきんに演じることができれば」と意気込みを見せる。 大分チェンバーオーケストラによる管弦楽、オペラカンパニー合唱団や大分大付属小コーラス部が加わり、作品を盛り上げる。 指揮は県立芸術文化短期大非常勤講師の楠本隆一。演出の野村は「オーケストラと歌のハーモニーや、演劇的な流れといった、オペラの醍醐味(だいごみ)を感じることのできる舞台になっています。ぜひ、ご来場ください」と話している。 チケットは2千円。高校生以下千円。未就学児は無料。トキハ会館プレイガイド、府内大橋こどもクリニック、ローソンチケットで取り扱っている。