麻希(蒔田彩珠)に犯人の疑いが...:「連続ドラマ W 誰かがこの町で」(ネタバレあり)
主演・江口洋介×共演・蒔田彩珠で送るWOWOW「連続ドラマ W 誰かがこの町で」(全4話)が 毎週(金)午後10時より放送・配信中。本作は、2020年に江戸川乱歩賞を受賞した佐野広実の受賞後第一作目として大きな話題を呼んだ同名小説が原作。12月22日に第3話が放送・配信された。(ネタバレあり) とある新興住宅地を舞台に、住民たちの間に渦巻く“同調圧力”が引き起こす恐怖を、生々しく、鮮烈に描いた社会派ミステリー。 ■第3話(ネタバレあり) 貧血で倒れた千春(大塚寧々)を病院へ運ぶ真崎(江口洋介)と麻希(蒔田彩珠)。目を覚ました千春に真崎は「望月一家について調べている。知っていることがあればお話してほしい」と頼む。 麻希は「私、娘なんです」と告げるが、なぜか「あなたは違う、娘なんかじゃない…」と突き放す千春。すると、突然美千代(延川の妻・池津祥子)から「あとはこちらでやります。お引き取り下さい」と言われた麻希たちは、電話番号を渡して、病院を出る。自分のことを何か知っている気がすると千春の反応が気になる麻希。 朝、真崎が起きると、麻希が買い物に出たことを近藤(でんでん)から聞かされる。しかし、一向に帰ってくる気配がなく、携帯にかけても出ない。 いやな予感がして探し始める真崎。 千春のところに行ったのかも知れないと思い、真崎は木本家へ向かった。すると、家の前にはパトカーが何台も集まって、騒然としている。野次馬に聞くと、なんと千春が殺されたという。 愕然とする真崎。そこへ警官に連行されながら麻希が家から出てきた。 「おい、何があった!」 駆けつけようとする真崎を警官が押しのけた。麻希はパトカーに乗せられ、警察署へ連れて行かれる。おそらく、千春から麻希のところへ連絡があり、出かけたところを事件に巻き込まれたのではないか。真崎は警察署で待っていると、連絡を受けた岩田(鶴田真由)が駆けつけた。刑事専門の弁護士、朝比奈(芦川誠)が一緒だった。麻希のことは朝比奈に任せて、岩田は「話しておきたいことがある」と真崎を喫茶店へ連れ出した。 岩田は意外なことを告白した。 実は、十九年前、アメリカの法律事務所で研修していた時、友人である麻希の母・望月良子(玄理)から手紙が届いていたのだ。岩田はその手紙をバッグから出し、真崎に見せた。そこには、隣家の木本千春の息子、貴之(竹内達麒)が殺された事件について、良子が独自に調べ、犯人らしき人物を見つけたことが記されていた。しかし、これ以上は素人の自分には無理なので、弁護士の岩田にやってほしいという。 望月一家が失踪したのはその手紙がついてすぐのことだった。 その後、帰国した岩田は警察に問い合わせた。しかし、事件性はないと言われた。 それでも気になった岩田は、事件に巻き込まれた可能性もあると考え、貴之の事件について調べ直そうとした。だが、それを止めたのは岩田の父親だった。父は国会議員で、鳩羽地区の地区長、菅井(本田博太郎)とは同じ派閥の後輩だったのだ。 友人である望月良子が事件に巻き込まれたかも知れないと思いつつも、何もしなかったことを弁護士失格だと後悔する。だから、麻希が事務所に現れた時は複雑な心境だった。できれば過去をほじくり返したくないという思いもあった。何も出てこなければ、それでいいと内心思っていたのだ。だから、このことを麻希にも真崎にも黙っていたのだった。 だが、今はもう隠蔽するつもりはないと岩田は断言する。その時、朝比奈から電話があり、麻希が釈放されたことを知る真崎たち。釈放された麻希を民宿に連れて帰り、話を聞いた。千春が殺害される前夜、遅くに千春から麻希に電話があったという。そして「謝りたいことがあるから出来れば一人で家に来てほしい」と言われ、家を訪ねたという。 インターホンを鳴らしても返事がなく、家には鍵がかかっておらず、心配になった麻希は家に入ると、その時すでに千春は殺されていた。望月家の失踪の秘密を何か知っている可能性があり、 口封じに殺されたのではないかと、真崎たちは推理した。 その時、突然ガラスが割れ、石が飛び込んできた。 表に住民が三十人ほど集まり、怒鳴っていた。「人殺し!」 「町をかき乱すな!」「犯人を出せ!」 真崎は麻希を咄嗟に部屋の奥にやり、外に出て行き、麻希は犯人ではないと事情を説明する。 「あんたたちの狙いはわかってる。必要以上に騒ぎ立て、彼女に罪をなすりつけようとしている。犯人を隠ぺいするために。木本さんを殺したのは彼女じゃない。この町の誰かだ!」という真崎に男たちは聞く耳を持たず、石を投げつけてきた。 真崎の顔や腹に石が命中し苦痛に顔を歪めながら耐える真崎。それでも「出てこい」といい続ける住民たち。その様子を部屋の中から心配そうに見ている麻希…。