韓国戦に向けて活動する女子日本代表なでしこジャパンMF長谷川唯（撮影・佐藤成）

　サッカー女子日本代表なでしこジャパンは24日、千葉市内で国際親善試合女子韓国代表戦（26日、東京・国立競技場）に向けて練習した。新たなチーム作りの過程で、普段の活動以上にグランドのあちこちでディスカッションが行われた。 【写真】「最強かわいい３トップ」マンＣ清水梨紗が影山優佳、長谷川唯と３ショット 　試合を2日後に控え「攻撃」をテーマに約1時間半のトレーニングを行った。前日は前線からのアグレッシブな守備をメインに戦術練習を実施。この日はビルドアップやアタッキングサードへの速い攻撃を重点的に確認した。目指すのは、主導権を握り、ボールを持って相手を揺さぶり、ゴール前で仕留めるスタイル。カギとなるのは2ボランチを務めるMF長谷川唯（27＝マンチェスター・シティー）とMF長野風花（25＝リバプール）だ。ともに高いスキルと豊富な運動量で欠かせない存在。まさにチームの心臓だ。 　練習前のミーティングでは、GKからのビルドアップの形や、カウンターで鋭くアタッカーが背後に飛び出す映像で意識を共有したという。10番を背負う長野は「前の選手とつながるところはかなり、結構言われてるところ。2ボランチのどっちかがやっぱり落ちて、もう1人の方はしっかり前の選手とつながるというのをすごく意識した」。 　トライしている形はオーソドックスなビルドアップのスタイルだ。ボランチが1人落ちて相手のプレスを回避し、前進していく。前日の前線からの守備も含めてシンプルなことをたたき込まれている印象だ。「とりあえず今は本当にチャレンジ、何事にもチャレンジしていこうという姿勢でやっている」と前向きに取り組む。 　新チームということもあり、練習中のコミュニケーションも活発だ。メニューの合間に長野と何度も話し合った長谷川は「基本的には風花とは見てれば結構スペースの共有とかできるので、あんまり正直細かく話すことはなかった」としながら、「チームとしてやりたいことと、自分たちがこの瞬間こうした方がいいと思うっていうところのすり合わせた」とトライする中で出たエラーを丁寧に詰めた。 　この日は速攻をイメージしたメニューや指示が多かったが、90分間の試合ではリズムがある。相手もあるスポーツで、全てが速い攻撃ではうまく機能しない。長谷川は「2人とも落ち着かせることができるところは特長ではあると思う。全体の、若さも生かした攻撃も含めて、自分たちが引き出せていければいいなと思いますけど、やっぱり時間帯によってはボールを失いたくない場面もあるので、そこの調整はできればいいかなと思います」。世界トップクラスのゲームメーカーがより連係を高めて試合をコントロールしていく。【佐藤成】