「わかば」など格安たばこが4月に値上げ 愛好家たちに、ほろ苦い春到来
高齢者以外にもシェア拡大
ちなみに、現在の旧3級品は、葉の品質が低いわけではなく、 「軽減税率もあるが、価格に見合ったブレンドをしたり、パッケージの低コスト化を図ったりして、定価を抑えている」(JT IR広報部)という。 古い銘柄が多いだけに、「高齢の方に好まれる」(同広報部)傾向が強かったが、近年、増税による価格上昇が続くなか、格安の旧3級品の国内市場シェアがじわじわと拡大。セブンスターが400円の大台に乗った翌年の2011年度には、エコーが8位と初のトップテン入り。15年4~12月のデータでは、わかばが4位、エコーが5位と主要銘柄をしのぐ勢いとなっている。 軽減税率が廃止される4月、現在210円のゴールデンバットは260円、250円のエコー、しんせい、バイオレットは280円、260円のわかば、ウルマは290円へと、それぞれ30~50円値上げされる。 那覇市在住のアルバイト男性(51)は、まだ東京で働いていた頃、相次ぐ値上げに一時は禁煙したが、6~7年前に帰郷後、価格が安いこともあって「バイオレット」党に。主要銘柄のメビウスなどを好む地元の若者には「おじさん臭い」と言われるが、「県限定のたばこを愛用しろよ」と冗談半分に言ってきた。 「でも、今度の値上げは、さすがに厳しい。もう、やめるしかないかも」 JTは4月以降の旧3級品の価格改定について、 「市場動向を見極めながら慎重に検討していく」として、増税による値上げ幅をまだ明らかにしていない。長年、わかばを愛好している高齢男性は、 「日本も金がないようだから、税率の軽減がなくなるのは仕方ないとしても、『増税分』がどこに使われるのか、せめて、はっきり説明してほしい」とぼやいている。