阪神・大竹 白星お預けも7回無失点快投 超遅球操り白熱の投手戦96球「緩い球っていうか、遊んでるぐらい」
「中日0-1阪神」(15日、バンテリンドーム) 丁寧かつ、大胆に、左腕同士の投げ合いで一歩も引かなかった。阪神・大竹耕太郎投手(28)が小笠原と白熱の投手戦を演じる。「何も意識しないで投げました」。平常心を保ちながらの96球。勝ち星にこそ恵まれなかったが、三塁すら踏ませない快投を披露した。 【写真】厳しい表情の岡田監督 2軍降格の佐藤輝は「うん、うん。ファームの選手や」 初回から100キロを下回る遅球を駆使し、打者に的を絞らせなかった。四回2死は加藤匠を計測不能の超スローボールで左飛。「緩い球っていうか、遊んでるぐらい」。岡田監督からの助言でもある、遊び心で凡打の山を築いた。 最大のピンチは六回。無死から細川に二塁打を浴びた。この日、初めて先頭打者の出塁を許す。4月13日には同じ相手、同じ球場で六回に4失点していた。今季の六回に限った防御率は試合前で15・75。それでも、冷静だった。 「前回、打たれたりしたのが頭の中によぎらなかった」。スパッと割り切り、目の前の相手に集中する。中田、石川昂を連続で遊ゴロ。最後は山本を渡辺の好守にも助けられ、三直に抑えた。「点が取れない試合で自分が粘って貢献したい。きょうはそれがちゃんとできて良かった」。主導権は渡さなかった。 7回4安打無失点の好投。中継ぎ陣もゼロでつないだ。「こうやって、しんどいけど勝ってるというのがうちの強み」。流れを呼び込んだのは、大竹のおかげ。ベンチで勝利への祈りが届いた。