海外ブランドへの需要が消費拡大をけん引 中国
【東方新報】専門家によると、中国の消費者はライフスタイルの変化に合わせて高品質の海外ブランドを求めており、物流の効率化や関税の引き下げ、輸入品リストの拡大などの優遇政策が追い風になっている。 Eコマース企業・京東(JD.com)の消費・産業開発研究所の最新レポートによると、昨年1月から10月の間に欧州から商品を購入したユーザー数は、2019年の同時期と比較して79パーセント増加した。 母乳・乳幼児用品、美容・スキンケア用品、栄養・ヘルスケア用品、アルコール、食品・飲料は、輸入された欧州製品の中で中国の消費者に最も支持されているカテゴリーだという。 欧州の輸入国トップ5は、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペインである。 欧州製品の主な消費者は26~35歳で、全年齢層の45パーセントを占めており、地方や農村部の消費者の間で欧州製品への関心が高まっているという。 昨年の「双11(ダブル11)」期間中、京東の越境ECプラットフォームである海囤全球(JD Worldwide)は、350以上の越境輸入製品カテゴリーで取引量が前年比100パーセント増加した。 阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の越境ECサイト・天猫国際(Tmall Global)のデータによると、2022年の輸入ワインの売上は前年比193パーセント増と急増した。第3、4級都市に住む人びとが輸入品、高級品、ニッチな家庭用品の購入で最も急成長したという。 市場コンサルタント会社「艾媒諮詢(iiMedia Research)」は、中国のさらなる開放、物流と配送の段階的な改善、消費者の輸入品に対する需要の高まりが、消費のアップグレードに大きな後押しとなるだろうと述べた。 北京市にあるインターネット・コンサルタント会社「易観分析(Analysys)」のアナリスト、陳涛(Chen Tao)氏は、「ここ数年、第3、4級都市における越境ECの普及率が高まっている」と述べた。さらに陳氏によると、ライブストリーミングビデオを利用したオンラインショッピングは、国内消費者が海外製品の詳細情報を素早く見つける方法として、80後(1980年代以降)や90後(1990年代以降)の世代の消費者の間で人気を博しているという。 商務部によると、中国の越境ECの輸出入規模は、昨年第1~3四半期で1兆7000億元(約33兆8961億円)に達し、前年同期比14.4パーセント増加した。 越境ECプラットフォームを通じて海外市場に製品を販売する中国商人が増えており、零細・中小企業がグローバルに事業を展開するための新たな手段となっている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。