話は耳でなく「胸」で聞け! 齋藤孝さん語る 会話術上達の極意は“受け”【テレビ寺子屋】
◆関心があることをアピール
「受け」で大事なのは「笑うこと」「驚く」ことです。ちょっとしたことに対しても笑ったり、「そうなんですか」と驚くと、相手は「この話題に関心がある」「新鮮な話題だと受け取ってくれている」と感じ、すごく話しやすくなり、別れた後に「いい人だったな、またあの人と話したいな」と思うわけです。 私も聞き上手な方と話しているとどんどん言葉が出てきます。ですから相手が話したそうな時には、例えば「あれはどうなりましたか」などと質問を上手にするといいのです。 そして、人の話はどこで聞くか。普通は「耳」で聞くということになりますが、それではあまり進歩はないです。話している人の方をしっかり向き、「胸」で聞く。相手が話している時に胸で聞こうとすると、全身で話を聞くようになります。すると、リアクションが良くなります。 うまくやり取りできていると安心感が生まれます。どんな球を投げても捕ってくれるキャッチャーのような感じで、「どんな話題でもこの人は受け取ってくれるな」と思うと、信頼関係ができたように感じます。仕事先や学校にそういう相手が一人いるだけで、行きたくなりますからね。 楽しい会話のある生活をぜひ送っていただきたいと思います。
齋藤孝:1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。 ※この記事は1月5日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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