<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/1 目指すは「世代1号弾」 高木翔斗捕手(県岐阜商・2年)
第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は3月19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。大会の主役に躍り出るのは誰か。活躍が期待される注目選手たちを紹介する。 「まだ、甲子園でホームランを打った同学年はいないんですよ」とニヤリ。186センチ、87キロの大型捕手が春の聖地で狙うのは、頂点を目指すチームを勢い付ける「世代第1号」だ。 岐阜県垂井町出身。小学1年から野球を始め、6年生で中日ドラゴンズジュニアに選出された。中学時代も全国大会を経験し、県岐阜商では入学直後からベンチ入り。1年秋から正捕手としてマスクをかぶる。 2020年秋は4番を務め、打率3割6分7厘で東海大会準優勝に貢献した。ただ長打は二塁打1本に終わり、「求められていることができなかった」と反省。試合の映像を見返し、「手先で当てる」スイングが多くなっていたことに気付くと、「『打ちたい』気持ちが先行し、体が硬くなっていた。もっと大きく振っていかないと」。 そのために取り入れたのが「空手」だ。以前から通うジムのトレーナーに「体のキレが良くなり、体幹も強くなる」と勧められた。朝には学校から約3キロ離れた金華山(標高329メートル)を登り、下半身を強化した。 幼い頃から「出場」が夢だった甲子園だが、今は「優勝が目標になった」と言い切る。スイングスピードも高校トップクラスの149キロを計測するなどトレーニングの手応えも十分で、「4番として、豪快なスイングでチームを引っ張りたい」と意気込む。【森野俊】=つづく