モスバーガーが「音楽レーベル」を始動、「面白い!」とネットでは反響も、現実的に考えるとなかなか厳しそうな理由とは
モスバーガーを展開するモスフードサービスが音楽レーベル「モスレコーズ」を設立すると発表し、大きな注目を集めている。全国のモスバーガー店舗で働くスタッフを対象にオーディションを行い、最優秀者に対して、このレーベルからのデビューを含め、ミュージシャンとしてのデビューをバックアップするという。 【写真で見る】「MOS RECORDS」のオーディションの詳細 モスバーガー側は「店舗で働く環境をより魅力的にし、人材確保と店舗の活性化につなげたい」と狙いを説明しており、昨今の人材難への対策が主眼にあるようだ。プレスリリース発表直後から反響は大きかった。
そこでの反応や意見を見ると、この取り組みについて「面白い取り組みだし、応援したい。けれども、うまくいくのだろうか?」というものが多数を占めている。 この記事では、この「面白い取り組み」と「うまくいくのだろうか?」という部分についてそれぞれ考えてみたい。 ■「カルチャー」企業としてのPRという面で、優れている まず、このプロジェクトは、どのような意味で面白いのか。要点は2点ある。 ①企業PRの観点でインパクトがあること
②音楽シーンを支援する「カルチャー企業」としてのイメージ構築ができること 以下、詳しく見ていく。 ①企業PRの観点でインパクトがあること 第1に、企業PRの観点でインパクトがある。 他社に先駆けた画期的な取り組みであるだけに話題性は抜群で、実際、リリースが出された直後からネット上を中心に話題を集めている。つまり、レーベル設立のニュース自体が求人告知を兼ねているわけだ。優秀な人材を惹きつける効果もあるはずだろう。
②音楽シーンを支援する「カルチャー企業」としてのイメージ構築ができること 第2に、音楽シーンを支援する「カルチャー企業」としてのイメージ構築だ。カルチャーへの理解を示すことで、ブランド価値の向上にもつながる。 そもそもモスバーガーは1990年代、「モスモス」というミニコミ誌を発行していたこともある。こうした取り組みは、モスバーガーが創業した当初、すでに日本にあったマクドナルドとの差別化をはかるために掲げた「クオリティの高いバーガーを提供する」という創業の理念にも通じる。