京都サンガF.C.・曺 貴裁監督、VfBシュトゥットガルト・セバスティアン・ヘーネス監督が激闘を振り返る。Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo
Jリーグ、NTTドコモ、スカパー!によって共同開催されている「Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo」。シュトゥットガルトは京都サンガF.C.とサンフレッチェ広島と対戦する。7/28に開催された京都サンガF.C.戦では、京都サンガが前半に2点、後半の立ち上がりに1点を決めリードしていたが、後半からシュトゥットガルトが一気に5点を決め逆転勝利。 【写真を見る】激闘を振り返る曺 貴裁監督とセバスティアン・ヘーネス監督 今回は試合を終えた2チームの監督記者会見の様子をお届けする。 ――試合の総括をお願いします 曺 貴裁監督「今日は昨季(2023-24シーズン)に良い結果を出して、今季(2024-25シーズン)のチャンピオンズリーグに出場する素晴らしいチームをお迎えできて、個人的にもこういうチームと試合をすることを楽しみにしていました。シュトゥットガルトはシーズン開幕前、われわれはシーズン中断期(リーグ中断期間)という大事な時期に、たくさんのお客さんの前でこういう試合ができたことを、とてもうれしく思います。3点を取った素晴らしい形と、5点を取られた反省点がありますが、我々のスタイルをシュトゥットガルトの皆さんに見せることができたと思います。リーグ戦があと14試合残っていますが、天皇杯も含めて、今日の試合は間違いなくそこへ繋がるものがあります。本当に心から、昨季のブンデスリーガで2位という結果を出したシュトゥットガルトの皆さんに「おめでとうございます」という言葉を送りたいですし、チャンピオンズリーグでの躍進を心から願っています。僕が長いこと一緒に仕事をした遠藤 航も、このチームでキャプテンマークを巻かせてもらいました。いまやリバプール(イングランド)の選手になりましたが、2020年にシュトゥットガルトの練習や試合を観に行かせてもらって、素晴らしいチームだなと思いました。(我々は)残念な結果でしたが、非常に楽しい時間でした。またこういう機会があれば、ぜひやってみたいです」 セバスティアン・ヘーネス監督「今回素晴らしい試合を迎えられたことを本当に心より嬉しく思います。素晴らしいスタジアム、素晴らしい雰囲気、ファンの皆さん、チームの皆さんも温かく迎えてくださったことを感謝しております。遠藤航選手の素晴らしさを皆さんご存知だと思いますが、そういう遠藤選手を育ててくれた指導力が素晴らしいと思います。特に前半我々にとってはすごく難しい試合だったと思います。すごくいいプレスがある中で、私達としてもクレバーにプレーしなきゃいけないところでしたが、プレスが良くてなかなか上手く打開出来なかった部分もありました。そして、いろんな要因がありますが頭と足がうまくかみ合わなかった部分があったと思います。最初の60分間で京都サンガのサッカーから、私達が何か学ぶべきものがあったと思います。そして残りの30分間につきましては、私達としてもしっかりとチームとしてプレーできたと思っています。こういった素晴らしい試合ができたことっていうのは、京都サンガのサッカー、そしてチームというものが素晴らしいということの証明にもなると思いますし、ファンにとっても素晴らしい試合が今日のこのスタジアムの中で見られたということは本当に良かったと思います。本当にこの素晴らしい試合、素晴らしい雰囲気を作ってくださったファンの皆様そしてチームの皆様、京都サンガの皆様に心からお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございます」 ――オリヴェイラ選手がセンターバックとボランチを両方担いましたが彼の評価をお願いします 曺 貴裁監督「オリヴェイラに関しては今週参加したので時間がないなか、早めに使ったんですが、視野の広さや落ち着きを与えてくれたと思います。我々のチームの後ろの安定感を出す選手として自分達の力になるなという印象がありました。久しぶりの試合だったのでテンポや練習に少し慣れていないかと思いますが、それは今シーズンで合ってくるんじゃないかと思います」 ――チェイス選手が後半16分から入りましたが彼の評価をお願いします セバスティアン・ヘーネス監督「まずは本当にアンリ選手はすごくいいプレーをしたと褒めたいと思います。このような素晴らしい機会に日本で彼がプレーできたことは彼にとっても特別な日になったと思っています。試合にも集中して入りましたし、ディフェンスとしても、ビルドアップとして対人の部分でもしっかりとプレーできたと思います」 ――後半で相手の力が出てきたと思いますが、改めてシュトゥットガルトの強さはどこでしょうか? 曺 貴裁監督「シュトゥットガルトさんの試合は昨年も含めて結構な数を見ていますが、やっぱりゴールキーパーがボールを持った時に意図的に相手に押させてその背中を狙うということを非常に意識されているチームなので、むやみに長いボールを蹴らないで、センターサークルにスペースを空けて左右にスピードのある選手を置かせるということがどれだけできるのかっていう60分でした。プレスや判断が少しでも甘くなると背中とられてしまう。僕もあのようなプレーをやっているチームを参考にしています。相手がどうであれ自分達の自信を深めて試合に勝っていくという、サンガが目指していかなきゃいけないようなプレースタイルをされています」 ――ドイツ国内でも強いチームと対戦されていると思いますが、そのような試合と比べていかがでしたか? セバスティアン・ヘーネス監督「京都サンガのチームとしてのプレスっていうのは本当に素晴らしかったと思います。勇気を持ってしっかりとチーム一丸となってプレスをしてきたこと、我々がそれをパスで打開しようと思っても、本当に難しいシーンというのが何回もありました。その中で裏をしっかり狙ったり、スペースを見つけてしっかりとそこを使って打開していくっていうところを、もっと早い時間帯でやるべきことがあったのかなというふうに思っています。ただ、試合中、時間が経つにつれて選手たちはそこをしっかりと見極めてやってくれたと思っています。本当に良いプレスを京都サンガはしてきたので、私達もそこから学ぶことがあったと思います」 ――来日間もない中で、さらに京都の熱さがありましたが、選手のコンディションはいかがでしたか? セバスティアン・ヘーネス監督「おっしゃる通り、暑さっていう部分もそうですが、まだ我々はシーズンが始まる前の準備期間というところなのでしっかりとフィットネスの部分を上げていかないといけないと思っています。そして13時間以上かけて日本に来たっていうところで、コンディションが100%ではないっていうのはもちろんあると思います。今日の試合の中で最初の50~60分間はもちろんコンディションの部分はあるかもしれませんが、相手チームの本当の良さがしっかりでていましたし、相手の良さっていうのは認めないといけないと思います。残り3週間、シーズン始まるまで時間があるので、コンディションはしっかりと上げていかなきゃいけないと考えています」 ――半分以上の選手が新勢力の選手でしたが、いかがでしたか? セバスティアン・ヘーネス監督「新しい選手、古い選手だとかそういうことではなくて、前半は京都サンガのチームが本当に良かったと思っています。ただ我々としても、後半にしっかりとひっくり返す力というのを見せられたと思いますしそういった部分も含めて、チームを作っていくことを大事にしたいと思います」 ――京都サンガで印象に残った選手がいたら教えてください セバスティアン・ヘーネス監督「本当に全員が良いというふうに言っていいと思います。本当に素晴らしい選手ばかりで特に前半に関しては言うことはないと思います。皆さん本当に素晴らしいモチベーションと、素晴らしい走力によって素晴らしいチームを作り上げてきた監督の力がすごいと思います」 ――指導者になられた初期からドイツで学んで、今日は自分が作っているチームがドイツの伝統あるチームと対戦しましたが、その想いを教えてください 曺 貴裁監督「今のブンデスリーガでは日本人がたくさん今もプレーしていますし、ブンデスリーガでやることによって日本代表に入れたり、日本を強くすると選手たちが感じていると思います。シュトゥットガルトさんは、ここ数年の歴史の中で2部に降格したり、あがったり落ちたりしていて、その中でのヘーネス監督の素晴らしい采配に僕自身勝手に勇気をもらっていますし、選手を育成しながら自分たちのスタイルを崩さず強くしているところに感銘を受けています。メルセデス・ベンツ・アレーナの満員の観客の前でプレーできる選手は今日の選手も含めて素晴らしい選手が多いですし、個人的にはサンガの選手のみならず、あのような舞台でプレーする日本人選手が増え、また全体のレベルが上がっていくことを望んでいます。なにより、僕の中でメモリアルな忘れられない一日になったと思います」 次はサンフレッチェ広島との対戦を控えるシュトゥットガルト。エディオンピースウイング広島初の国際親善試合として8月1日(木)に開催される本試合では、どのようなゲームを見せてくれるのか。ブンデスリーガの古豪とJクラブとの戦いに目が離せない。
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