『ブギウギ』草彅剛×水上恒司の化学反応に注目 スズ子を愛する2人の男がついに対面
歌手としてのスズ子(趣里)を誰よりも愛している愛助(水上恒司)
部屋がレコードでごった返しているほど、無類の音楽好きである愛助にとって善一はきっとスーパースターのような存在だろう。そして、そのスーパースターが作る曲によって魅力が引き立つスズ子を彼は愛した。そんなスズ子が歌手を辞めて、自分の夢を支える側に回るなど愛助にとっては考えられないこと。実際にそうなったとしたら、スズ子以上に苦痛を感じて愛助自身が壊れてしまう可能性だってある。 坂口(黒田有)から村山興業は家族的なまとまりの中でトミ(小雪)が母親のような存在を担ってくれたからこそ成長したというような話を聞かされた時、「僕はスズ子さんにそんなん求めてへんわ!」と愛助が声を荒げたのが印象的だ。これまでの彼を見てきたら何の違和感もないが、よく考えれば、「結婚したら女性は家庭に入り夫を支える」のが当たり前の時代において、その返答が当たり前のように出てくるのはすごいこと。でも、愛助は決して男女平等を叫びたいわけではない。スズ子の歌が必要だから。幼い頃から病弱だった愛助はスズ子の歌に支えられ、これまで生きてこれた。ステージ上で輝くスズ子あってこその愛助なのである。 話が平行線を辿って2人だけでは結論が出せない中で、スズ子の家を訪ねてきた善一は何を言うのだろう。スズ子に歌手を辞めてほしくないという気持ちには変わりないだろうが、彼だって何も愛助との仲を引き裂きたいわけではない。スズ子と愛助がまだ知り合って間もない頃、誰より2人の恋愛事情を楽しんでいたのが善一だった。彼が直近で作り上げた「コペカチータ」は情熱を感じさせる一曲で、周囲の反対にも負けず愛助と愛を育んできたスズ子だからこそ歌えたとも言える。そんなちょっぴり不思議な関係な2人が出会ったら、どんな会話が生まれるのか。2人でスズ子の良さを語り合って盛り上がるのか、それともどちらがよりスズ子の魅力を知り尽くしているかで揉めるのか。彼らが起こす化学反応を楽しみにしたい。
苫とり子