殴打に電気ショック…水を求めると小便をかけられた イスラエル軍拷問の実態、ガザ市民が証言
拘束経験のある複数のパレスチナ人女性が「イスラエル兵に性器を触られたほか、(イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ)ヒジャブを取るように強要された」と証言したという。このNGOは「兵士は拘束したパレスチナ人女性に対し、『強姦するぞ』と脅しながら情報を得ようとしている」と非難する。 アブワルダが解放されたのは今年1月11日。50日間以上の拘束だった。ガザ南部のケレムシャローム検問所で軍用車両から降ろされ、ガザに帰還した。そのまま赤十字関係者により病院に搬送された。 ▽「ガザに希望はない」 イスラエル軍は共同通信の取材に「ガザではテロ活動に関与したと疑われる者は拘束するが、関係ないと判断すれば解放する。拘束者への不当な行動は軍の価値観と一致しない」と回答した。 だが、国連関係者からもイスラエル軍によるパレスチナ人への拷問を疑う声が相次ぐ。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)パレスチナ事務所のサンガイ代表は、1月にガザ南部を訪問した際に約10人から拷問を受けたとの証言を聞いたとし「国際法はあらゆる形態の拷問を禁止している。イスラエル政府は調査すべきだ」と訴える。
UNRWAのラザリニ事務局長は3月上旬、ガザで複数のUNRWA職員がイスラエル軍に拘束されたと明らかにした上で、拷問を受けたとの報告があるとイスラエルを非難した。「拷問の下で、証言を強要されている」ともフランスメディアで語り「多くの拘束を経験したパレスチナ人がトラウマを抱えている」と付け加えた。 アブワルダは拷問の経験を振り返り、こう語る。 「ガザに希望はない。少なくとも子どもたちだけでもガザの外に出してあげたい」 涙がアブワルダの頬を伝った。