94歳の俳優で刺青絵師、毛利清二さんの企画展が京都・おもちゃ映画ミュージアムで5月1日から
俳優で刺青絵師、毛利清二氏(94)の企画展「毛利清二の世界-映画とテレビドラマを彩る刺青展-」(入場料1000円、18歳未満は入場不可)が5月1日から7月28日まで京都・おもちゃ映画ミュージアムで開催することが26日、分かった。 毛利氏は東映京都撮影所で40年以上、俳優・刺青絵師として活動。独自に編み出した技術と特殊な絵の具で高倉健さん(享年84)や鶴田浩二さん(享年62)、松方弘樹さん(享年74)ら150人以上、のべ2000人の俳優に刺青を描いてきた。 同展は東映太秦映画村・映画図書室が協力し、写真や脚本、ポスターなどを映像を交えて、1960年代から2000年代を2期にわたり紹介。第1期は5月1日から6月16日に1960~70年代、第2期が6月19日から7月28日に80年代以降のものを展示する。 「遠山の金さん」シリーズで毛利氏に刺青を描いてもらった俳優、高橋英樹(80)は「日活にいたころから毛利清二さんの描く刺青の美しさにひかれていました。毛利さんの刺青は他の誰よりも秀逸で、まるで着物の図柄のような繊細なデザインと鮮やかな色使いは研究熱心な毛利さんならではのものでした」としみじみ。 「任侠映画が全盛期の1960年代~1970年代は安保闘争が起き、人のために命を落とすことを美徳とするような空気感が社会にありました。任侠映画はそのような時代背景の中で生まれ、登場人物の背中に描かれた刺青は、弱きを助け強きをくじき、義のためには命も惜しまないといった生き方の象徴だと思います。現代の若者には考えられないような生き方かもしれませんが、映画の中の刺青に古き良き日本を感じますね」とコメントを寄せた。 「この展覧会で日本の伝統的文化ともいえる『映画の刺青絵』を多くの皆さんに見てもらい後世に残すことができたら、とても素晴らしいことだと思います」と呼びかけた。