西武・佐藤隼輔「もうあのスライダーは追い求めない」伝家の宝刀と決別も3年目の進化へ自信
一方、恩師の川村監督もスライダーについて似たような見方をしている。 「結局は変化球もコントロールですから。曲がったからといって、バッターが振ってくれるわけではありません。曲がり幅はちょっとでもいいから、思ったとおりの位置に投げられれば十分武器になるはずです」 大学4年時の佐藤に聞いてみたことがある。自分の潜在能力の最高が100だとしたら、今はどれくらい発揮できていると思うか、と。その時、佐藤は「60くらい」と答えている。あれから2年が経ち、佐藤の自己評価がどう変わっているのか知りたかった。 「体のつくりとかを考えると、80くらいかなぁ......。西武の投手陣はデカい人ばかりですけど、よくこの体でこれだけの球速を出せたなと。体の使い方としてはいいのかなと感じています。あとは、技術になってくるんでしょうね」 大学時代よりも体重が5~6キロ増えて、現在は87~88キロに達している。佐藤隼輔の自己評価が「100」に近づけば近づくほど、野球ファンはとてつもないストレートの目撃者になれるはずだ。
菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro