センバツ2023 2回戦 大阪桐蔭、新たな伝説へ 敦賀気比に3-1 順調スタート /大阪
第95回記念センバツ大会第3日の20日、大阪桐蔭は第3試合の2回戦で、敦賀気比(福井)と対戦し、3―1で競り勝った。センバツで両校が対決するのは、敦賀気比が優勝した第87回大会(2015年)の準決勝以来で、大阪桐蔭は大会史上初の2度目の連覇に向け、順調なスタートを切った。次戦は第9日第1試合(26日午前8時半開始予定)で、能代松陽(秋田)―石橋(栃木)の勝者と対戦する。【戸田紗友莉、山口一朗】 試合が動いたのは三回。2死二塁で2番・村本勇海(3年)が甘く入った直球を捉えた。左翼への打球は三塁打となり、二塁走者の山田太成(同)が生還した。続けて3番・徳丸快晴(2年)の左安打で村本も本塁を踏んだ。 四回に1点を返され、なおも1死二塁のピンチを背負った。しかし、二塁手の村本が打球をダイビングキャッチして併殺に仕留める好守を見せるなどで嫌な流れを断ち切った。そんな選手たちの活躍を受けて、回を追うごとにアルプススタンドの声援は大きくなっていった。 投げては前田悠伍(3年)が14奪三振の力投を見せた。「前半単調になってしまったが、後半勝負と思って気合を入れた」と試合後、振り返った。 試合は、1点差で迎えた七回、先頭の小川大地(同)が初球をセンター方向に運んで三塁打となり、四球を挟み、山田がこの日3安打目となる適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。 横浜から応援に駆けつけ、祈る気持ちで試合を見守った小川の父淳さん(51)は「普段しない送球ミスがあったので気をもんでいたが何とか1本が出てホッとした。次戦も勝利に貢献してほしい」とその活躍に胸をなで下ろした。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇三塁打「やったった」 村本勇海二塁手(3年) 三回、先制の三塁打を放った。ベンチにいる西谷浩一監督の笑顔に「やったったぞ」と小さくガッツポーズで返した。「先制点を打てて素直にほっとした」 背番号16だった昨夏の甲子園では2回戦で代打に立ち、中前打を放った。「あの時の感覚をもう一度味わいたい」と思い続けてきた。昨秋は6番で起用されることが多かったが、この春の練習試合からは2番となった。好機を逃さず、つなげていく気持ちで臨んだ。 第1打席は緊張から観客の多さに足が地に着かない感覚に襲われた。センターへの飛球をキャッチされるも「今日は打てるかも」と手応えはあった。 試合後の取材に「今日は70点。後半のチャンスで打てなかったのが反省点」としつつも、三塁打について「昨夏とはまた違う記憶に残るヒットになった」と笑顔を見せた。【戸田紗友莉】