ポール・ジアマッティ、『サイドウェイ』監督との19年ぶりタッグに「何でもやる」キャストが明かす撮影秘話
800人以上の候補者のなかから、アンガス役に大抜擢されたセッサは、カメラの前に立つのは初めの新人。2人の大ベテランの名優にひけを取らない繊細な演技を披露し、大きな注目を浴びた。「僕が高校の最終学年だったとき、映画の関係者たちがロケ地を探していて、僕の学校にも来たんです。キャスティングの人たちも来ました。映画のオーディションを受けるってどんな感じなのか興味があったし、うまくいけばエキストラとして出演できて、セットとが見られるかもしれないって思ったんです。最終的にアレクサンダーに会うことができましたが、その時点では、僕をどれくらい気に入ってくれているのかよくわかりませんでした。でも、彼に直接会えて、そうした経験をするのは本当にクールなこと。オーディションは7、8回受けたと思います」と出演経緯を語る。 ジアマッティとランドルフとの共に最初はおじけづいたというセッサだが、最高の経験になった。「僕にとって彼らはセレブみたいなもので、(撮影の合間に)トレーラーに戻ったりするのかもわかりませんでした(笑)。でも、初めて一緒にこの仕事をするのに、これ以上いい人たちはいなかった。みんなとても地に足が着いていて、自分の持ちこむもの(演技)に自信を持っていたし、僕が持ち込むものにも自信を持ってくれたんです。純粋に、僕のクリエイティブプロセスや芸術性を信頼してくれました。それこそ僕が求めていたすべてなんです」
撮影前の約3週は間、3人で台本読みや分析をして、さまざまなことに取り組んだといい、ジアマッティは「時々、3人で室内劇をやっているような感じがありました」と振り返る。また、1970年代のディテールをとらえた美術や衣装、そして実際のロケーションでの撮影は、演じるのにとても大きな助けになったと、3人とも口を揃えていた。
劇中に登場する雪は全て本物だといい、不思議なことに、降ってほしいと思った時に、いつも降ってくれたそうだ。そんなことは滅多にあるはずがないが、ランドルフが言うように、「この映画には魔法があった」のかもしれない。