好調な米企業業績、S&P500反転もたらすとの期待大-MLIV調査
(ブルームバーグ): 債券利回りの大幅上昇に対する懸念が高まっているが、最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査によれば、米企業の力強い業績がS&P500種株価指数をこのところの低迷から救うと期待されている。
今週は米決算シーズンが本格化し、マイクロソフトやメタ・プラットフォームズ、アルファベットを含むハイテク大手の発表が予定されている。409人の回答者の3分の2近くは、決算がS&P500種を押し上げるだろうと予想した。企業業績に対し、MLIV調査でこの質問を開始した2022年10月以降で最も強いお墨付きを与える回答となった。
プレミア・ミトン・インベスターズのニール・ビレル最高投資責任者(CIO)は「この決算シーズンをかなり楽観しており、恐れるような事態が起きるとは思っていない」と説明。「重要なのは、マクロ要因よりも企業のファンダメンタルズが株価に反映されるということだ。これまでは、金利とインフレが資産価格を動かしてきた」と指摘した。
中東情勢の緊張にもかかわらず、地政学的リスクの高まりは大きな懸念材料にはなっていないようだ。その理由の一つは、過去の同様のイベント後に株価が持ちこたえたことだろう、HSBCホールディングスのマルチアセット・ストラテジストの分析によると、過去25年間に平均で、大きな地政学的イベント後に米国株が上昇を記録したのはその期間の70%に上る。
実際、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した昨年10月7日以降、S&P500種は上昇しており、トレーダーや投資家は少なくとも今のところ、紛争に伴う不確実性を消化しているようだ。
マックス・ケトナー氏らHSBCのストラテジストは「どちらかといえば、このような出来事の後は買いの機会となる。地政学的な問題を越え、ファンダメンタルズはなお支えになっており、成長期待はまだ高まっている」と指摘した。