桂三実がNHK新人落語大賞制す 師匠・文枝に感謝も
若手落語家の登竜門「令和6年度NHK新人落語大賞」が26日、都内で行われ、桂三実(31=桂文枝門下)が大賞に輝いた。 早口言葉の出来事が我が身に降りかかる創作落語「早口言葉が邪魔をする」を披露。三実は「早口言葉は子供から年配の方まで分かるんで、老若男女が見るNHKの今回の大会でもいけるのではとなった」とネタのセレクトの狙いを明かした。本番は一度もトチることなく「かんだら終わりですよね。早口言葉を言うのではなく、相手に伝えるというのを意識したら案外言えることに気づいた」と語った。 ネタ自体は2015年にできたものといい、10年かけてブラッシュアップした。特に今年は文枝からの助言もあったといい「師匠の前でネタを見せて気になることをアドバイスしてもらったり。師匠の教えもヒントにネタの後半に哀愁を入れたりして、今の形になった」と解説。文枝の弟子が大賞を受賞するのは2001年の桂三若、18年の桂三度に続き3度目という。 2年連続の出場で、昨年は金髪で前髪を下ろしたヘアスタイルに審査員から辛口の指摘も飛んだ。「去年、(金原亭)馬生師匠からご指摘いただいた。2か月ぐらい前から前髪を上げ始めたんですけど、13年でやっと気づいたんですけど、おでこ出した方がやりやすい。今までなんでみんな教えてくれんかってん、と思いました」。今回のヘアスタイルは2日前に美容院でしっかり発注したといい「万全の体制で切ってきました。めちゃくちゃ今日に寄せていきました」とリベンジ成功に笑みをみせた。 今後の噺家(はなしか)としての目標については「短い新作しか作っていないので、30分くらいのトリをとれるような新作を作れる落語家になりたい」と意欲。現在ネタ数は93本にまで到達。「師匠から『新作で一番大事なことは作り続けること』と言われて、その言葉を信じてずっと作り続けたらこういう結果になった。本当に感謝です」と語った。
報知新聞社