1日以降長野県内に最接近 台風10号 県南部で大雨の恐れも
西日本を東に進んでいる台風10号は熱帯低気圧になった後の1日以降に長野県内に最接近するとみられる。長野地方気象台によると南から暖かく湿った空気が流れ込む影響で、県南部を中心に3日にかけて大気の状態が不安定になり、警報級の大雨となる恐れがある。気象台はこれまでの雨で地盤の緩んでいるところがあるとして土砂災害に十分注意するよう呼び掛けている。 台風10号は8月31日午前3時現在、高知県安芸市付近を時速約15キロの速さで東南東に進んでいる。中心の気圧は996ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートル、中心から半径165キロ以内では風速15メートル以上の強い風となっている。 台風は今後、西日本を東に進み、1日に紀伊半島に上陸する見込み。その後、熱帯低気圧に変わるとみられる。1日にかけては台風本体や暖かく湿った空気の影響で西日本や東日本で大気の状態が不安定になる見込み。 1日午前中にかけて岐阜県と静岡県、愛知県、三重県では線状降水帯が発生する恐れがあるという。 熱帯低気圧に変わった後も、東日本を中心に低気圧周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、2日にかけて大気の状態が不安定になるとみられる。 関東甲信で1日午前6時までに予想される24時間降水量は多いところで150ミリ。2日午前6時までが200ミリ、3日午前6時までが150ミリとなっている。 県内には1日以降に最接近する見込みで、3日にかけて県南部を中心に雷を伴った激しい雨となる可能性がある。 県南部で予想される24時間降水量は1日午前6時までの多いところで100ミリ、2日午前6時までと3日午前6時まではそれぞれ150ミリ。8月31日と9月1日に予想される1時間降水量は多いところで30ミリとなっている。 気象台は、県内でも長時間にわたって雨が続く恐れがあるとして土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに注意するよう呼び掛けている。 JR東海は8月31日、雨量が規制値に達したため、長山(愛知県豊川市)―中部天竜駅(浜松市)の上下線で終日運転を見合わせている。この影響で特急「伊那路」も終日運休とした。1日以降の運行は未定だが、運休が続いたり、運休の区間を拡大したりする可能性があるという。