堀田茜さん&産婦人科専門医・高尾美穂さん対談…「不妊治療、卵子凍結、魔法みたいに見えるけど」|CLASSY.
堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載12回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
30代になって周りと話すこともあり、卵子凍結や不妊治療が気になっています
今回のゲストは...高尾美穂さん 【今月の茜のモヤモヤ案件】 30代になってから不妊治療や卵子凍結の話をよく耳にするようになりました。やったほうがいいのかなと思いはするものの自分の気持ちのうつろいやどの情報が正しいのかなど不安もあり行動にうつせていません。妊娠・出産に備えて今何をしておくべきですか?
「不妊治療、卵子凍結、魔法みたいに見えるけど決してそうじゃない」(高尾)
高尾:そうですね。結婚を考えている相手がいるいないにかかわらず、本当に子供が欲しい人生なのかどうかは一度考えてみて。その上でどうしても子供が欲しいと思うのであれば、CLASSY.世代なら妊娠の準備はどんどんトライしてみてください。 茜:具体的に何ができますか? 高尾:パートナーがいたとして、交際期間、婚約、結婚、出産と通して性交渉の回数は減っていくものなんですね。でも大抵は結婚しないと妊娠にトライしないので、それを逆算して早めに結婚の話をしたほうがいい。そして結婚を段取りしたあと、自分の生理周期の中でどうすれば妊娠成立しやすいかを考えて性交渉すること(生理が終わってから排卵までの7日間が大事で、その期間で3回は試すなど)。それ以前に、妊娠が望めそうな日に確実に妊娠できるかと言ったらなかなか難しいので、何ごとも前倒しに行動してみてください。妊娠を2人で決めたのであれば、まずはお互いに熱量を擦り合わせ、一緒に妊娠に向いてる環境を整えるのが大事です。ちなみにこうしたことを12カ月繰り返しても妊娠しなかったときに不妊症と定義されます。 茜:最初にお話した、不妊治療や卵子凍結はどうですか? 高尾:望んでいたことが達成されれば頑張ってよかったね!となりますよね。だけど不妊治療はみんなが思ってるほどハッピーなストーリーではないし、これだけ医学が進化した中でも不確実なんですよ。そして卵子凍結は、受精卵の凍結よりも妊娠の可能性は下がります。そもそもは子宮頸がんなどで子宮を失わなければならない人がそれでも子供を持ちたいとなったときに、卵子を凍結させておけば様々な可能性が残せる、という中でスタートしたのが卵子凍結なので、都合のいい人生を送るためのシステムではないんですよね。 茜:知らなかったです。凍結しておけば妊娠しやすくなるものだと勘違いしてました…。 高尾:こういうストーリーは全然広まってないんです。なので、いずれもみんなが思ってるほど絶対ではないってことは知っておいてほしいですね。卵子凍結しておけば、将来必ず妊娠できるということではないんです。 茜:不妊治療や卵子凍結の前に考えられること、できることがあるってことですか? 高尾:そう。不妊治療とか卵子凍結とか、派手で印象的な言葉ってどうしてもそれだけが一人歩きしちゃう。魔法みたいに見えてるでしょ?でも決してそうじゃない。睡眠時間が大事とか生活リズムを整えようとかの地味な部分はカットされて伝えられてしまうんですよね。本当はそういうことのほうがとても大事で。 茜:たしかに、それだけをやっていればいいというイメージがついている気がします。ピルで生理痛やPMSを和らげたり、葉酸のサプリメントを飲んだりするのは意味がありますか? 高尾:すごくいいと思いますよ!ベースの体作りは続けることが何より大事なので、いつか妊娠を考えているようならぜひ続けてください。まずは自然妊娠できるためのアクションを起こして継続し、その後には何ができるのか、どうすべきかを考えてみてほしいです。 茜:生活リズムを整えて健康な体を作って、いいパートナーに巡り合うのが一番なんですかね。 高尾:あ、今の名言。本当にそうです。結局なにごともショートカットはできないってことなんですよね。 茜:身体の話を聞きにきたつもりが、まさかこんな人生の話になると思わず、とても沁み入りました。まずは、自分の人生と身体作りからやり始めます。 高尾:ぜひ茜さんには、自分で人生を決めて生きる女性のロールモデルになってほしいです! 茜:そうなれるように頑張ります!