トヨタ・ヤリスクロスはなぜ売れる? “主戦場”のヨーロッパで高く評価されているポイントはココだ!
モーター出力を強化した改良新型ヤリスクロスが登場
欧州仕様と日本仕様のもっとも大きな違いを挙げるとすれば、それは改良のタイミングと内容だ。 2022年07月に日本へ投入された「アドベンチャー」グレードは、欧州よりも1年遅れた販売開始だった。また、欧州ではキルティング模様のシートが特徴的な日本未導入グレード「エレガント」グレードや、専用レザーシートや大型ディスプレイなどが装着される期間限定モデルの「プレミアエディション」がラインナップする。 さらに欧州の2024年モデルは、欠点であったロードノイズや風切り音対策などが施されるとともに、装備や機能が強化されると報じられている。もっとも大きな変更は、モーター出力を強化した新型パワートレインが追加される点だ。 日本でも2024年1月17日にヤリスおよびヤリスクロスの一部改良が行われたが、欧州に比べれば細部の変更に留まり、ここで欧州仕様と日本仕様には大きな差がついてしまった。 そもそもヤリスクロスの月あたりの販売目標台数は、国内の4100台に対して欧州は1万1500台に設定されている。あくまでヤリスクロスの主戦場は欧州ということだ。 とはいえ、前述したとおり日本で販売されているヤリスクロスの基本構造は欧州仕様とほぼ同じである。欧州で高く評価されているヤリスクロスとほぼ同じものを安く買えるのは日本在住の人の特権と言えるだろう。 欧州トヨタの本拠があるベルギーでの価格はハイブリッド2WDモデルが2万7274ユーロ(日本円換算で約440万円)だ。それに対し、日本では同等のグレードが252万4000円から購入できる。 この価格差は物価や為替などの違いではあるが、ヤリスクロスが性能に対して非常に安価であることは疑いようがない。絶対的な販売台数では欧州のほうが多いが、販売目標に対する比率では日本のほうが売れているのも頷ける。
ピーコックブルー