輪島塗漆器、被災工房から搬出 職人「再建の一歩に」
能登半島地震で被災した石川県輪島市の輪島塗工房で5日、職人が屋内から漆器や重箱などの作品、制作道具を運び出した。ボランティアが小型の重機を使って壁の一部を取り除き、支柱を設置して作業。工房の運営に携わる蒔絵師の箱瀬詩野さん(37)は「ありがたい。再建の一歩になった」と安堵の表情を見せた。 山や田んぼに囲まれた「箱瀬工房」。地震で蔵は倒壊し、工房も大きな被害を受けた。二次災害の危険から作品や道具を取り出せないでいた。 搬出には、金沢市のボランティア団体を通じて派遣された建設業者の5人が手伝った。 輪島塗は工程を分業して制作するのが特徴。