軽井沢のホテルが採用 高校生が育てた食用の花「エディブルフラワー」 植物工場で栽培、活用を研究中
長野県の佐久平総合技術高校(佐久市)生物サービス科植物活用コース3年の柳沢美有(みゆう)さん(18)と鈴木沙奈さん(17)が、校内の植物工場で食用の花「エディブルフラワー」の栽培と活用法の研究に取り組んでいる。植物工場は安定生産できる一方、施設費や光熱費がかかるのが課題。そこで効率よく収穫できるエディブルフラワーに着目した。研究の一環で栽培した花は、5月から軽井沢町のホテル「グランドエクシブ軽井沢」の料理に使用されている。 【写真】軽井沢のホテルで提供している料理 2人は花の活用法に興味があり、昨年度の卒業生が始めたエディブルフラワーの研究を引き継いだ。パンジーやマリーゴールド、ポップスターなど14種類を、レタス用の培養装置と人工光を使って無農薬で栽培。放課後などに手入れをし、成長を確認している。 人工光の強さを変えて成長の変化を調べている。光が強いと1株の花の数が増え、成長も速まった。開花から2~3カ月間にわたって収穫でき、1株で100輪以上収穫できる花も。活用法を探ろうと2人は、花を使ったクッキーなどの試作もしている。柳沢さんは「いろいろな調理方法を見つけたい」。鈴木さんは「今後さらに新しい種を試し、調べたい。日本料理にも花が使えないか試作したい」と意気込む。 2人の取り組みを知ったグランドエクシブ軽井沢は、エディブルフラワーの提供を同校に依頼。料理やデザート、カクテルに使用しており、担当者は「地域の食材で彩りが加わり、お客さんの反応もいい」。同校で2人を指導する関弥文(やふみ)講師(66)は、エディブルフラワーは多く収穫できて植物工場での栽培に向いているとし「高級レストランなどが多い軽井沢が近く、地域での需要も期待できるのではないか」と話している。