【大学野球】なぜ、慶大・清原正吾は神宮では教科書どおりの打撃を実践できたのか
「投手の足下を意識しました」
【10月5日】東京六大学リーグ戦第4週 慶大5-3東大(慶大1勝) まさしく四番の仕事である。 【選手データ】清原正吾 プロフィール・寸評 慶大は2点を追う3回裏無死満塁から押し出し死球で1点差とすると、続く清原正吾(4年・慶應義塾高)が初球を中前に運んだ。同点打である。さらに五番・横地広太(2年・慶應義塾高)の左犠飛で勝ち越した。 清原は言う。 「ビハインドで1点が欲しい場面。センター返し。投手の足下を意識しました。練習の成果が出たと思います」 対峙する投手は東大のアンダーハンド・渡辺向輝(3年・海城高)。引っ張りにかかれば、相手の術中にはまることになる。ボールに逆らわない打撃は、お手本のようだった。 清原の父・和博さん(元西武ほか)は、渡辺の父・俊介さん(元ロッテほか、日本製鉄かずさマジック監督)と過去にNPBで何度も顔を合わせた。「見たことはあります。渡辺投手とは、(夏の)東京六大学オールスター(北海道)で一緒にゴハンも食べました」。親子で対戦とは、感慨深いものがある。
なぜ、清原は教科書どおりの打撃を、神宮で実践できたのか。 「野球部に阿蘇(瑠河、4年・慶應義塾高)というアンダースローの投手がいます。東大戦に向けて、対策を練ってきました。技術だけでなく、サポートしてくれる選手がいる。阿蘇には感謝したいです」 清原はいつも、タイムリーを放つと、スタンドにいる父・和博さんと控え部員が陣取る応援席にポーズを取る。自身も大学入学以降、下積み生活が長かっただけに、サポートメンバーへ対するリスペクトは絶対に忘れない。 慶大は東大に先勝した。「できるだけ多くの勝ち点を取りたい」。今季初の勝ち点奪取へ四番・清原はチームのためにバットを振る。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール