「ぶっとい脚」なのに美しいシルエット! 大谷美咲がウェルネス2度目の優勝で魅せた新しい女性美
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」。フランスのSF作家、ジュール・ヴェルヌの有名な言葉である。フィットネス競技においてその言葉を実践するかのごとく、新たな一歩を歩み始めた選手がいる。 【写真】大谷美咲選手の「極太脚」×「美しい筋肉」 ボディフィットネスではオールジャパン選手権3連覇、昨年は世界チャンピオンにも輝いた大谷美咲(おおたに・みさき/37)選手が、今年より新競技「ウェルネス」に転向。その初代王者を決める『オールジャパン ウェルネス チャンピオンシップス』(9月1日、仙台)で163cm以下級、オーバーオール(無差別級)でともに優勝を飾り、日本チャンピオンに輝いた。
「この先にあるアーノルドクラシックや世界選手権などの国際大会への出場を見据えていたので、今日は絶対に優勝したいと思っていました。ここで優勝して世界に挑みたいと思っていたので、(勝利をおさめることができ)ほっとしました」 どちらも鍛え上げられた肉体美が審査される競技ではあるも、「ボディフィットネス」と「ウェルネス」とでは選手に求められるものが異なってくる。より下半身のボリュームが重視される「ウェルネス」。2つはあくまで別の競技であり、「ボディフィットネスのチャンピオン」という肩書がそのまま「ウェルネス」でも通用するのかといえば、決してそんなことはない。他競技のチャンピオンであろうが、やはり「ウェルネス」に求められる身体に仕上げていく必要がある。 「もともと『ウェルネス』という競技には憧れを抱いていました。ただ、たとえ『ウェルネス』に出たいと思っていても、自分で思い描けるものがなければ、挑戦していなかったと思うんです」 「ボディフィットネス」から「ウェルネス」で評価される肉体へとアップデートを施し、初代王座を勝ち取った大谷選手。その視界には、自身が進むべき道がしっかりととらえられている。
「何をやればいいのか見当もつかないような状態だと、躊躇したかもしれません。こういうことをすれば、こういう身体になる。そういった道筋が、なんとなくイメージできたんです。だから、(ウェルネスへの挑戦に)踏み込むことができました」 大谷選手が身体で示した、目標を具体化することの重要性。次なる舞台は10月にスペインで開催されるアーノルドクラシックヨーロッパ。世界の壁に挑む。 【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
文:藤本かずまさ 撮影:中島康介