車署長（右）から感謝状を受け取った原さん（右から２人目）と林さん（左から２人目）＝佐世保市八幡町、県立佐世保北高

　佐世保署は７日、ニセ電話詐欺を未然に防いだとして、長崎県立佐世保北高３年の原伸輔さん（１７）と林琥珀さん（１８）に署長感謝状を贈った。同署によると、県内で高校生がニセ電話詐欺を阻止したのは今年初。 　９月１６日、佐世保市三浦町の十八親和銀行佐世保支店前のバス停にいた２人は、高齢の男性が電話で話しながらメモを取り、ＡＴＭに出入りを繰り返している姿を目撃。「詐欺なのでは」と不審に思った。 　勇気を出して「その電話は振り込め詐欺ではないですか」と話しかけ、原さんは男性に付き添い、林さんはＡＴＭ内にあるインターホンで行員へ状況を説明。ＮＴＴファイナンスを名乗る国際電話での指示を受けて２９万円を振り込もうとしていた男性を連携して守った。 　車康之署長から感謝状を手渡され、原さんは「被害がなくて良かった。社会問題になっているニセ電話詐欺事件を一つ解決できてうれしい」、林さんは「人を助けるのは当たり前。これからも困っている人がいたら助けたい」と話した。 　同署管内では今年、８月末までにニセ電話詐欺被害を２３件（前年同期比１３件増）認知。被害総額は約２６６８万円（同約２１００万円増）に上る。ＳＮＳ型投資・ロマンス詐欺は計１７件発生し、総額約７４９５万円の被害が出ている。一方、１０月７日時点で、ニセ電話詐欺とＳＮＳ型詐欺は１２件阻止されている。