梅かつおきしめんを慎重にほぐす! 15分かけフォトジェニックに完成も…5分で完食 そういうもんです
【久住昌之 するりベント酒】 仕事場に、小ぶりな「梅かつおきしめん」を買ってやってきた。 もちろん「冷やし」である。20%引きで294円だった。安い。この値段で軽食が食べられるとは。 「埼玉県小麦『あやひかり』の自家製麺」「紀州産南高梅使用 ※種あり注意」と書いてある。安いのに能書きが多い。種あり注意って、そこまで言ってあげないとならないのか。子供か。今の時代は本当にめんどくさい。 さて、作り方は、蓋を開けて麺つゆを全部そのままかけ、麺をほぐして、そこに鰹節、揚げ玉、刻みネギをふりかけ、梅干しをのせる。簡単だ。 と、思いきや、麺につゆをかけ回して、ほぐそうとすると、カタイ。 麺が一体化していて、つゆをかけたにも関わらず、箸でほぐれない。無理にほぐそうとすると、薄いきしめんの麺が切れる。 うーん、これはなかなか厄介だぞ。 つゆがかかっているあたりから、慎重にほぐす。うん、麺の流れをよく見て、一本一本かたまりから剥がすようにすると、ほぐれることはほぐれる。時間がかかる。 そのうち麺がつゆに浸っている底の方を攻めてみると、うん少しずつほぐれる。 焦りは禁物だ。ちょっと力を入れすぎると、切れる。実際三本ぐらい切れた。 もうこうなったら腰を落ち着けて、じっくり格闘だ。椅子に座り直す。 10分ぐらいかかって、かなりほどけてきた。若い頃なら我慢できないだろう。 何か、こんがらがったギターのシールドを慎重にほどいていく気持ちだ。 細ーいネックレスが絡まったのを、ピンセットでほどいたことを思い出す。その作業は嫌いじゃなかった。 箸でコツコツときしめんをほぐしていく作業も、なかなか楽しくなってきた。 15分くらいかかって、完全に麺のくっつきあいは全てほどかれた。達成感がある。 ここに鰹節をパラパラとかけた。きしめんでは鰹節が大事。前に蕎麦屋で鰹節をケチったきしめんを出されたときは、店に火をつけてやろうかと思った。 揚げ玉は、本物の天ぷらの天かすじゃないやつ。インチキ揚げ玉。でもいい。