民間信仰「斎教」の寺、修復始まる 日本統治時代に建設 台湾・雲林
(雲林中央社)1936(昭和11)年ごろに建設された中部・雲林県の県定古跡、斗六真一寺の修繕工事が16日、起工した。同寺は清朝末期から日本統治時代にかけて台湾で広く浸透したといわれる民間宗教「斎教」の寺。修繕などを通じ、現地の人々が育み、受け継いできた斎教の文化がより豊かになることが期待されている。 この日行われた起工式には、同県の張麗善県長や寺の程重勲董事長(会長)、修繕の計画を手掛けた建築士の陳柏宏さんらが参加した。 張氏は同寺が台湾中部ではあまり見られない伝統的な斎教の建築である上に、斗六市に現存する最も古い寺廟(びょう)だとし、雲林における宗教発展の歴史で特別な文化的意義があると言及。伝統的なデザインと近代の材料や工法が融合しており、内部の装飾が充実していると説明した。 陳さんによれば、寺の中にはさまざまな時代に描かれた絵画や「剪黏」と呼ばれる立体的な装飾が見られるという。 修繕の費用は約1億650万台湾元(約5億1300万円)で、このうち国が約9053万元(約4億4000万円)を、県が約1298万元(約6250万円)を負担する。2027年の完了を見込んでいる。 (姜宜菁/編集:田中宏樹)