（左から）『黒木ほの香1st写真集 ほのかにあまい』（主婦の友社）『結那　デジタルPHOTOBOOK　scarlet 』（KADOKAWA）『伊達さゆり 1st写真集 あしあと』（KADOKAWA）

  XなどのSNSでは、声優の写真集の発売日当日にその声優の名前がトレンド入りすることがよくある。声優の名前で検索をかけてみると、SNS上には写真集を購入したファンの熱狂的なコメントが多数書き込まれている。 【写真】深紅のドレス姿にドキッ！　清楚に可憐に抜群のスタイルを見せる結那の写真集『scarlet』の掲載カット   声優の写真集は2010年以降、数多く刊行されてきた。もはやアイドル並みに（実際にアイドル活動をしている声優もいるが）写真集を何度も出している声優も少なくない。写真集が人気である理由は、“推し活”が盛んになり、ファンが写真集を抵抗なく買えるようになったことと、出版社側の巧みな販売戦略にある。   そんな声優の写真集の魅力はどこにあるのか。声優ファン歴10年の男性Yさん（42歳）に、魅力を語ってもらった。  「写真集を数冊買ったり、事前予約すれば、実際にその声優さんに会えるなどの特典が付くのはごく普通になりました。お渡し会に参加し、会話ができるチャンスもあったりします。コロナ禍でこうしたお渡し会は中止もしくは縮小される時期もありましたが、自粛が完全に明けた今、秋葉原や渋谷では毎週のようにお渡し会やイベントが開催されています」   そして、写真集は離島や海外などで撮影されたものも多く、推しの声優と旅行しているような気分に浸れるのだそうだ。特に、Yさんは声優とキャラを“シンクロ”させて楽しむことができるのも魅力なのだと語る。  「僕が声優にハマったのは『ラブライブ！』のの声優さんたちのグループ、μ'sのフォーマンスがきっかけです。アニメの映像とライブのパフォーマンスをシンクロさせることで、まるで目の前に本当にアニメの女の子たちがいるように感じてしまい、ドはまりしました。その後の『ラブライブ！サンシャイン!!』でもシンクロパフォーマンスが受け継がれ、より声優さんに親近感がわくようになりました」   また、声優ファンであることを職場や友人に打ち明けやすい空気感が生まれていることも大きいようだ。  「僕が子どもの頃は、声優が好きというより、アニメが好きと口にするのが恥ずかしい雰囲気がありました。けれども、最近は推し活をみんなやっているので、声優が好きだと言っても頭ごなしに否定されるようなこともほとんどありません。それにSNSには仲間がいますし、ライブ会場で会う友人もいますからね。写真集を買うのも、前はちょっと恥ずかしいなと思うこともありましたが、今ではすっかり慣れてしまいましたね」   ちなみに、Yさんは昔からアニメファンがよく言う、閲覧用、保存用、布教用の3冊を買う……だけでなく、お気に入りの写真集であれば10冊買うことは珍しくないと言う。どんなに仕事で辛いことがあっても、推しの声優の写真集をめくるだけで、幸せな気持ちになれるのだそうだ。推し活は多忙な現代人に必須な行動なのかもしれない。