体験コーナーも充実 「貨幣博物館」がリニューアルオープン
日本銀行金融研究所貨幣博物館(東京都・中央区日本橋)がリニューアルオープンした。22日のオープン初日は、来館者数が1000人を超え、小さな子どもからお年寄り、外国人旅行者まで、さまざまな人たちが見学に訪れている。 今回のリニューアルで、いちばん大きく変わったのは、約3000点の古いお金のコレクション展示だけにとどまらず、お金の歴史や文化などについて、わかりやすい体験展示を多く取り入れているところ。実際の大判と同じサイズのレプリカを手に持って大きさや重さを感じたり、スタンプ押して紙幣の大きさを学んだりできるコーナーは、小さい子どもにも人気。 1985年の開館から、展示で新しくなったものの中に、富本銭(ふほんせん)の紹介がある。富本銭とは国が発行した最古の銅銭のこと。98年の飛鳥池遺跡(奈良県明日香村)の発掘調査から、その後約10年の研究を経て、和同開珎より古く7世紀後半に造られていたことがわかった。同遺跡からは、富本銭とともにそれをつくるための鋳型やルツボ、やすりなどが出土し、これらについても詳しく説明している。
同館学芸員の関口かをりさんは、「昔のモノの値段が知りたい、というお客さまからの要望が寄せられていました」と話す。たとえば和同開珎は、平均的な労働者の1日の賃金として支払われていて、江戸時代の小判1枚(1両)では、そばが約410杯、かつお約16匹、下駄が約22足買えたことなどが学べるようにした。
「江戸時代の大判、小判や分銅金などは本物の金で造られていて、美しいので、ぜひみていただきたい」と関口さん。 開館時間は午前9時~午後4時30分。年内の土曜日は午後7時まで(入館は閉館の30分前まで)。休館日は日、月曜日(祝休日は開館)、年末年始。入館無料。詳しくはホームページで。