土俵際の神奈川県公式キャラ「かながわキンタロウ」インスタで連日投稿 大金星なるか
神奈川県の公式PRキャラクター「かながわキンタロウ」が交流サイト(SNS)のインスタグラムを開設し、精力的にダンス動画などを連日投稿をしている。12年前に誕生したかながわキンタロウだが、過去のゆるキャラグランプリでは300位台に沈み、グッズの販売も振るわないなど土俵際の状況が続いてきた。「ぼくが有名になる!」。今年4月に県の公式ユーチューブチャンネルで表明し、情報発信に力を入れている。 かながわキンタロウは県西部の足柄山で生まれ育ったとされる金太郎をモチーフに平成24年に設定された。見た目は頭頂部をそった武士の髪形「大童(おおわらわ)」で、金の文字の入った赤い腹掛けをしている、昔話でなじみのある金太郎そのものだ。誕生日は県の立庁記念日と同じ3月19日。性別は男の子だが、年齢は非公表となっている。知事になるという野望も持っている。 27年の全国ゆるキャラグランプリでは306位と低迷。令和4年度からネット通販をしているぬいぐるみ(定価1650円、送料別)は50個中、現在6個しか売れていない。 県のゆるキャラは平成30年度、観光をPRするキャラクター「かなたび君1号」など7体が〝リストラ〟された。かながわキンタロウも令和5年9月の総務政策常任委員会では、新堀史明議員(自民)から「使い方が物すごい中途半端」などとたびたびてこ入れの提案を受けるなど、明日はわが身だ。 とはいえ、かながわキンタロウの性格はかなり自由奔放なようだ。今年6月6日に県の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画「キンタロウ流!ソロキャンプを10倍楽しむ極意」では「場所選びにはこだわるべし」とし、入札不調で空いたままの県庁東庁舎のレストランフロアでテントを張った。珍しく再生回数が1万回を超えるヒットとなったが、最後は警備員から「ここでキャンプしちゃダメだよ」とお叱りを受けた。炎上覚悟の〝攻めた〟内容で、キャラクター性は十分だ。 ライバルはゆるキャラとして人気の千葉県の「チーバくん」や熊本県の「くまモン」。6月に開設したインスタのアカウントのフォロワーは今月3日正午時点で497人と伸び悩むが、源頼光に見いだされ、京の都で名をはせた金太郎のように、大金星をつかむ日はやって来るのか-。(高木克聡)