正しい漢字を答えられる? バイクに軽自動車税が「カ」される、違反で反則金が「カ」されるの「カ」の漢字
「課される」と「科される」の違い
バイクを維持するのに必要な税金や違反をしてしまった時の反則金などの支払いが求められる際に、〇〇税を「カ」される、反則金を「カ」されるなどと表現します。 【画像】 バイクに軽自動車税が「カ」される、違反で反則金が「カ」されるの「カ」の漢字の正しい使い分けを画像で見る(10枚) この「カ」に対応する漢字として思い浮かぶのは「課」や「科」でしょう。しかし税金や反則金に対してどちらの漢字を使えばいいのか、自信を持って説明できる人はあまり居ないのではないでしょうか。
使い方を混同している人も多く、どちらも「支払いの義務を負う」という点で意味が共通しているため、使い分けの判断は難しいものです。しかし「課」と「科」の、それぞれの漢字が元来持つ意味を考えると、正しい漢字の使い分けを比較的簡単に覚えることができます。 まず、「課」という漢字は「課題」という言葉があるように、「仕事などの割り当て」という意味を持ち、「宿題を課す」、「ノルマを課す」といった文で使われます。 一方「科」という漢字は、「前科」という言葉があるように「罪やあやまち」または「罪を罰すること」という意味を持ち、「懲役刑を科す」、「罰金を科す」といった文で使われます。 これらの意味を知った上で考えると、罪の有無に関わらず、バイクを持っている人に割り当てられる税金に関しては「課される」という漢字を使い、違反に応じて決められる反則金や違反点数については「科される」という漢字を使うべきであることが分かると思います。
「課される」「課せられる」どっちが正しいの?
また「課される」や「科される」といった表現の他、「課せられる」、「科せられる」という表現もたびたび目にします。 どちらも読んでいて違和感を覚える表現ではなく、それぞれ間違った表現ではありません。「課」の方を例に解説すると、もっともメジャーな表現である「課される」という表現は、「課す」という言葉の未然形である「課さ」に受け身の助動詞「れる」がついた形。 この「課す」という言葉を辞書で調べてみると、多くの辞書で「課する」という言葉が変化したものと説明されています。
また、「課される」ほどの頻度ではないにしろ、ときどき目にする「課せられる」という表現は、「課する」という言葉の未然形である「課せ」に受け身の助動詞「られる」がついた形。 本来はこちらの方が歴史のある表現ですが、日常生活で「課する」と言う人はめったにいません。時代の移り変わりとともに言葉が変化し、今ではメジャーな表現ではなくなってしまったようです。 ともあれ、「課される」と「課せられる」はどちらかが間違いであるという訳ではなく、どちらも使用して差し支えのない表現。なお、同じように「科される」と「科せられる」もそれぞれ問題なく使用できる表現となっています。
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