出口など用意せず迷宮を巡る、劇団太陽族の“認知症”テーマにした新作「迷宮巡礼」
劇団太陽族「迷宮巡礼」が、12月20日から22日まで兵庫のAI・HALLで上演される。 【画像】劇団太陽族「迷宮巡礼」チラシ(他1件) これは、岩崎正裕が作・演出を手がける新作公演。作中では、ピアノが1台置かれている舞台上で、“認知症”をテーマにした物語が展開。かつてピアノ弾きだった男は、認知症になった今はもう譜面も読めず、指を動かすこともできずにいる。譜めくりとして彼を支えてきた妻は、今は介護をしていて……。 上演に向け、岩崎は「祖母は亡くなる少し前、私のことを『シゲルさん』と呼び手を握った。知らない名前だったので黙っているしかなかったが、どうやら早くに亡くなった弟の名前らしかった。祖母が見ている遠い世界は恐ろしくもあり、当人にとっては現実であるようだった。祖母の側からその世界を覗いてみたいと思った。舞台にはピアノがひとつあるだろう。弾けなくなった演奏家は迷宮に入っていく。これは記憶障害のために譜面を書けず、演奏不能に陥ったモーリス・ラヴェルの晩年に重ねて。失くしてしまうことは悲惨なのか。手放せば楽になれるのか。予めの出口など用意せず、迷宮を巡る」とコメントした。チケットの一般販売は、11月16日にスタート。 ■ 劇団太陽族「迷宮巡礼」 2024年12月20日(金)~2024年12月22日(日) 兵庫県 AI・HALL □ スタッフ 作・演出:岩崎正裕 □ 出演 岸部孝子 / 佐々木淳子 / 桐子 / 中西由宇佳 / 韓寿恵 / 森本研典 / 橋本剛 ※U-22チケットあり。