「見返りの鹿」が福岡出張へ 松江・風土記の丘所蔵の重要文化財 はにわ特別展、島根代表で
八雲立つ風土記の丘(松江市大庭町)が所蔵する埴輪(はにわ)で重要文化財の「見返りの鹿」が間もなく、半年間の出張に出る。九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開かれる、埴輪を集めた特別展で、島根代表として展示される。 【写真】国内に3体 八雲立つ風土記の丘で展示された「見返りの鹿」
後ろを振り向いた姿が印象的で、体高は約90センチ、体長約60センチ。1975年に平所遺跡(松江市矢田町)で発見された。5世紀の終わりから6世紀の初めに作られたもので、77年に重要文化財に指定された。 見返りの鹿は全国でも3体しか見つかっていない。島根のものは、見る角度によって、かわいらしく見えたり、りりしく見えたりと、表情豊かな造形で評価が高い。来館者や埴輪ファンの人気も高く、ぬいぐるみなどのグッズもある。斎藤大輔学芸員は「風土記の丘の『トップアイドル』だ」と語る。 九州国立博物館では、1月21日から約4カ月間続く特別展「はにわ」で展示する予定。馬や牛など、全国の動物埴輪を集めたコーナーで、特に目立つ場所にガラスなしに展示されるという。 特別展を担当する白井克也学芸部長=益田市出身=は「島根の見返りの鹿は、動物埴輪の代表的なものだ。この機会に多くの人に見てほしい」と話す。 風土記の丘は2025年1月3日まで休館。見返りの鹿展示は4日から6日まで。出張中は見返りの鹿にちなんだパネル展やオリジナル絵はがきや冊子の配布がある。